相続税申告は1か月で完了できる?間に合う例・難しい例を税理士が解説!

相続税・贈与税

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内です。

関連記事:身内が亡くなったらいつまでに納税する?相続税の申告納税期限と準確定申告について税理士が解説

もし今、申告期限まで残り1か月という状況にあるなら、「間に合うのか?」「どうすればいいのか?」と不安になるのは当然です。

しかし、相続税申告が完了できるかどうかは状況次第です。

今回の記事では、以下の具体例を挙げながら、相続税申告書が完璧でなくても申告期限内に提出することの重要性を解説します。

  • 相続税申告期限内に申告が完了できるケースの例
  • 相続税申告期限内に申告が完了するのが難しいケースの例
この記事の執筆・監修者
大岡 俊明(税理士)

税理士。神奈川県横浜市のクロスウィード税理士事務所代表。メンターキャピタル税理士法人で13年間実績を積み、2024年にクロスウィード税理士事務所を開業。相鉄線沿線を対象に、相続税申告のなかでも遺産総額が1億円以下の相続税申告に特化していることが特徴。

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申告期限まで1か月でも完了できるケース例

次のようなケースでは、申告期限まで1か月足らずしかないとしても、完了できる可能性があります。

  • 財産の種類がシンプルな場合
  • 遺産分割協議がすでにまとまっている場合
  • 相続税専門の税理士にすでに依頼済みで、資料が揃っている場合

それぞれ具体的に見ていきましょう。

財産の種類がシンプルな場合

財産の種類がシンプルな場合、つまり現預金・上場株式・戸建て住宅など、評価が比較的容易な財産が中心である場合は、1か月程度で申告を完了できる可能性があります。

遺産分割協議がすでにまとまっている場合

相続人間で争いがなく、分割協議書が完成している、または協議内容が確定している場合も、あとは申告するだけですので、1か月程度で完了できることもあります。

相続税専門の税理士にすでに依頼済みで、資料が揃っている場合

相続税専門の税理士が相続税申告書作成を進めており、必要書類もほぼ揃っている場合は。1か月もあれば申告を完了してくれるでしょう。

相続税申告期限内に申告が完了するのが難しいケースの例

一方、以下のような状況では、相続税申告書の期限内(1か月程度)での「完成」は難しいケースがあります。

  • 財産の種類が複雑・評価が困難な場合
  • 遺産分割協議が未了・争いがある場合
  • 資料収集が遅れている場合

財産の種類が複雑・評価が困難な場合

非上場株式、貸家建付地、海外資産など、財産評価に時間と専門知識を要する財産が含まれる場合、1か月以内での申告官僚は難しいでしょう。

相続を専門とする税理士へ依頼しても、1か月以上~数か月かかるケースが多いです。

関連記事:相続財産評価を税理士に依頼すると何をしてくれる?対応内容を解説!

遺産分割協議が未了・争いがある場合

相続人間で遺産分割協議の意見が割れていたり、調停中である、または遺産分割協議が始まっていない場合、残り1か月程度で申告を完了させることは難しいケースが多いです。

関連記事:遺産分割協議が終わらない場合の相続税申告はどうすればいい?申告期限に間に合わないときにすべきことを解説

資料収集が遅れている場合

固定資産評価証明書、登記簿謄本、銀行預金の残高証明書など、申告に必要な書類が未取得である場合も、期限内の完了は現実的ではありません。

相続税申告書が完璧でなくても期限内に提出するメリット

相続税申告書の期限内(1か月程度)での「完成」が難しいからといって、あきらめて「相続税申告をしない」という選択肢を取ることは避けるべきです。

たとえ申告書が完璧でなくても、期限内に提出することには大きな意味があります。

  • 延滞税・無申告加算税の回避
  • 特例の適用要件を満たす

それぞれ詳しく見ていきましょう。

延滞税・無申告加算税の回避

相続税の期限後申告にはペナルティが課される可能性があります。

しかし、たとえ完璧でないとしても、期限内に申告をすれば、ペナルティを回避できます。

関連記事:相続税申告期限が過ぎてしまったら?リスクと対応策を税理士が解説

特例の適用要件を満たす

「小規模宅地の特例」や「配偶者の税額の軽減」など、相続税にはいくつかの特例制度があります。

しかし、これらの特例は、原則的には期限内申告が条件です。

期限後申告では認められないケースもあるため注意しなければなりません。

関連記事:相続税を減らすために使える「控除」の種類を税理士が解説!

関連記事:相続時の「小規模宅地等の特例」とは?土地の評価額が最大80%減額される制度を税理士が解説

申告書が「完璧でなくても」提出する方法

そもそも相続税申告書が「完璧でなくても」、提出することができるのか?と疑問に感じている方もいるかもしれません。

実は以下のような工夫をすれば、完璧でないとしても、相続税の期限内申告を実現できます。

  • 概算評価で申告する
  • 未分割申告を行う
  • 添付書類が一部未提出でも申告書本体を提出する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

概算評価で申告する

財産評価が未確定でも、概算で申告し、後日修正申告又は更正の請求を行う方法もあります。

未分割申告を行う

遺産分割協議が未了の場合でも、法定相続分で申告し、遺産分割後に修正申告又は更正の請求を行うことが可能です。

添付書類が一部未提出でも申告書本体を提出する

添付書類が全て揃っていなくても、相続税申告書を提出することで「申告意思」を示すことはできます。

これは税務署に対して「期限内に申告する意思がある」ことを示す重要な手段になると考えられます。

相続税申告まで1か月しかなくても税理士へ相談!

相続税申告まで1か月しかない場合、場合によっては、完璧な申告が難しい可能性もあります。

しかし、申告期限までに残りわずかな場合でも対応できることはありますし、「完璧でなくても期限内に申告書を出す」ということが非常に重要です。

諦めることなく、相続税申告まで1か月しかない場合こそ、税理士へ協力してもらうようにしてみてください。

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