事実婚・内縁パートナーが生命保険金を受け取ったら税金はかかる?

相続税・贈与税

事実婚・内縁パートナーという家族の形が広がる中で、「パートナーが受け取った生命保険金には税金がかかるのか」という相談が増えています。そして結論から言うと、税金はかかります。

生命保険金は誰が負担し、誰が受け取るかによって課税関係が変わるのがポイントです。

そして、事実婚パートナーは法律上の「配偶者」ではないため、相続税の優遇が受けることができません。

この記事では、事実婚パートナーが生命保険金を受け取った場合の税金について、わかりやすく整理します。

この記事の執筆・監修者
大岡 俊明(税理士)

税理士。神奈川県横浜市のクロスウィード税理士事務所代表。メンターキャピタル税理士法人で13年間実績を積み、2024年にクロスウィード税理士事務所を開業。相鉄線沿線を対象に、相続税申告のなかでも遺産総額が1億円以下の相続税申告に特化していることが特徴。

長岡行政書士×大岡税理士 対談記事|横浜での相続のエキスパートとして

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生命保険の課税方法は3種類

生命保険を受け取ると税金がかかりますが、その課税方法は、次の3種類に分類されます。

  • 相続税
  • 贈与税
  • 所得税

それぞれどのようなケースで課税されるのか、詳しく見ていきましょう。

「相続税」の対象になるケース

以下のような条件だと、事実婚パートナーが受け取った生命保険金は「相続税」の対象になります。

保険料負担者亡くなった本人
被保険者亡くなった本人
受取人亡くなった本人の事実婚パートナー

生命保険金は、厳密には遺産ではありませんが、「みなし相続財産」として扱われるためです。

関連記事:みなし相続財産はどう相続手続きする?相続財産の違いとあわせて行政書士が解説!

そして、事実婚パートナーは法律上の「配偶者」ではないため、大きな税制上のデメリットがあります

相続税の対象になり事実婚のパートナーは相続人ではないため「死亡保険に係る相続税の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)」が使えず、加えて「配偶者の税額の軽減」も使えず、さらに通常支払う相続税を2割増して支払うことになるのです。

関連記事:事実婚・内縁パートナーの相続税はどうなる?税理士が基本を解説!

「贈与税」の対象になるケース

以下のような条件だと、生命保険金は「贈与税」の対象となります。

保険料負担者事実婚パートナー A
被保険者第三者
受取人事実婚パートナー B

これは事実婚であるか否かに関わらず、保険料負担者・被保険者・受取人の三者がすべて異なると、常に贈与税になります。

ちなみに贈与税は相続税より税率が高く、基礎控除も110万円と少ないため、税負担は重くなりやすいです。

「所得税」の対象になるケース

生命保険金は原則として所得税の対象ではありません。

ただし、以下のような条件だと、満期保険金や解約返戻金などは「所得税」の対象となります。

保険料負担者亡くなった本人の事実婚パートナー
被保険者亡くなった本人
受取人亡くなった本人の事実婚パートナー

ちなみに、満期保険金等を一時金として受領すると一時所得、年金として受領すると雑所得になります。

事実婚パートナーが注意すべきポイントのまとめ

生命保険金の課税関係は複雑ですが、事実婚の場合は特に次の点が重要です。

相続税の基礎控除に影響

事実婚のパートナーは法定相続人でないため、「600万円×法定相続人の数」の枠に入らず、相続税の計算で法律婚と比べると不利になります。

関連記事:相続税の基礎控除額とは?計算方法や相続税申告が必要な例を紹介!【税理士監修】

死亡保険に係る相続税の非課税枠が使えない

法律婚の配偶者なら「500万円 × 法定相続人の数」の死亡保険の非課税枠がありますが、事実婚パートナーは対象外なので、相続税の計算で法律婚に比べると不利になります。

配偶者の税額の軽減が使えない

配偶者が取得した遺産のうち、次の金額の多い金額までは、相続税がかからないとされています。これが「配偶者の税額の軽減」です。

  1. 1億6千万円
  2. 配偶者の法定相続分相当額

この「配偶者の税額の軽減」についても、法律婚限定の制度です。よって事実婚のパートナーは対象外なので、相続税の計算で法律婚に比べると不利になります。

2割加算の対象となってしまう

財産を取得した人が、亡くなった方の一親等の血族か配偶者以外の場合には、通常計算した相続税額に、その相続税額の2割に相当する金額が加算されます。これが「2割加算」です。

よって事実婚のパートナーはこの2割加算の対象となってしまうので、相続税の計算で法律婚に比べると不利になります。

関連記事:相続税額の2割加算とは?対象者や計算方法について税理士が解説!

事実婚・内縁パートナーの税負担を抑えるための対策

そもそも事実婚パートナーへ遺産を残すためには、遺言書を用意する必要があります。これについては、事実婚パートナーならではの注意点をカバーした遺言書を作るためにも、長岡行政書士のような専門家に相談することを推奨します。

また、あわせて事実婚・内縁パートナーの税負担を抑えるためにも、いくつか対策が必要です。このような相続税対策については、税理士へ相談するようにしてください。ここでは、いくつか簡易的な対策を紹介します。

保険を見直す

保険料負担者・被保険者・受取人の組み合わせを見直すことで、課税関係をコントロールできます。

税負担で不利にならないように改めて現在の課税関係を確認し、見直しが必要であれば速やかに設計し直すことを推奨いたします。

法律婚も検討する

税負担という意味では、法律婚は事実婚に比べてかなり優遇されているため、これを機に法律婚を検討するのも選択肢の一つではあります。

事実婚・内縁パートナーの生命保険についても税理士へ相談できる!

事実婚・内縁パートナーが生命保険金を受け取った場合、法律婚とは異なる税務上の扱いが必要になります。

もし税務手続に不安がある場合は、ぜひ税理士へ相談してみてください。すでに相続が発生している場合だけではなく、相続に備えて事前に相談することも可能です。

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