養子縁組は解消(離縁)できる?制度概要や相続への影響を行政書士が解説!

養子縁組は解消できるのか? 離縁の概要と相続への影響を行政書士がい解説!         相続に関連する法制度
相続に関連する法制度

「一度結んだ養子縁組って、解消できるのですか」
「養子縁組を解消するとどんな影響がでるのですか?たとえば相続はどうなるのでしょう」

養子縁組とは、血の繋がりのない人同士が法律上の親子関係を作り出す制度です。

民法の第727条に養子縁組に関する規定があり、養子は養子縁組が成立したその日から実子と同等の扱いとなります。

養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。

民法727条

養子は実子と同等の扱いを受けるということは、相続においても養子だからと言って取り分(=相続分)が少なくなったりすることはありません。

仮に600万円の遺産があり相続人が実子と養子だけであれば、それぞれ300万円ずつの相続となります。

さて、縁あって養子縁組になったわけですが、後に養親と養子、または他の利害関係者とトラブルに発展し、養子縁組を解消できないかと模索される場面が存在します。

代表的な例としては、家業を継いでもらおうと子の配偶者に婿養子になってもらったものの、子の婚姻関係が破綻し離婚してしまったので養子縁組も解消したい、というケースです。

このように養親・養子の関係を継続させるのが難しい場合は、どうしたらいいのでしょう。

今回はこの養子縁組の解消にまつわる、制度概要や相続への影響について、横浜市の行政書士が解説いたします。

この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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養子縁組は解消(離縁)できる

実際に養子縁組を解消する方法として「離縁」という制度があります。

5つのタイプがありますので、それぞれ説明していきます。

協議離縁

養子縁組を解消するためには養親と養子の間で話し合いを行い、同意に至れば協議離縁届にお互いにサインをし役所に提出することで養子縁組を解消することができます。

また、その際には成年に達している証人が2人必要となります。

調停離縁

話し合いが不調に終わった場合は家庭裁判所に離縁調停を申し立てることができます。

当事者同士だと感情的になってしまったり客観的な視点が不足して合意に至らないような時でも、第三者である調停委員が間に入って話し合いを進めてくれます。

調停が成立した場合は調停調書が作成されるので、10日以内に離縁届を添えて家庭裁判所に提出する必要があります。

審判離縁

家庭裁判所の裁判官が離縁に相当の理由があると認めれば、職権による審判により離縁が認められることがあります。

審判が成立すると自宅宛に審判書が届きそのまま2週間経過すると審判が確定しますが、その期間内に意義の申し立てをすると審判はその効力を失います。

審判が確定した場合は審判書と確定証明書、離縁届を役所に提出すれば手続きは完了です。

裁判離縁

調停で離縁が認められず、また相当の理由が見つからないので審判離縁にもならない場合は、裁判によって離縁するしかありません。

ただし、裁判で離縁が認められるには、民法814条により法律上の離縁事由のうち、どれか一つが必要となります。

  1. 他の一方から悪意で遺棄されたとき。
  2. 他の一方の生死が三年以上明らかでないとき。
  3. その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。

実際は3の「縁組を継続しがたい重大な事由」が問題となる事がほとんどです。実際の裁判では、当事者の事情を総合的に考慮して判断されることになります。重大な事由として認められるパターンは、下記の4つが代表的です。

A.暴行・虐待・重大な侮辱
例)養子が養親に暴言や暴行を繰り返した

B.絶縁・長期の別居
例)養親と養子が10年以上交流がない

C.家業の承継や金銭等をめぐる養親子の不和・対立
例)養子には家業を維持する気がなく、これ以上話し合いを重ねても希望がない

D.縁組当事者の一方の夫婦関係の破綻
例)子の配偶者に家業を継いでもらうために婿養子にしたが、子と配偶者の夫婦関係が破綻してしまった

特にDの例のような子の夫婦関係が破綻し離婚した場合には、裁判所は養親との離縁も認める事例が多いです。ベースとなる婚姻が消滅したのにまだ養子縁組が残っているのはねじれ状態であるためです。

しかしながら、離婚の原因が養親の子や養親の側にあったり、離婚後に一定期間養親・養子の関係が良好だったりした場合は、離婚しても離縁は認めないというケースも存在します。

死後離縁

上記タイプ1~4は双方が生存していることが前提ですが、この死後離縁は養親や養子が死亡したあとに養子縁組を解消する手続きです。

片方が死亡しているので合意は必要ではなく、生存している養親又は養子が一方的に家庭裁判所に申し立てれば離縁が成立します。

なお、死後離縁をしても、成立するまでは相続を受けられます。また、養親・養子の親族の扶養義務が消滅することもポイントです。

ただし、一度死後離縁してしまうと撤回できないため、慎重に判断する必要があります。

養子縁組を解消(離縁)すると相続はどうなる?

では、離縁をすると、相続はどうなるのでしょうか。これを理解するために、離縁によって戸籍がどうなるのか解説します。

離縁すると、養子の姓は基本的に養子縁組前の姓に戻ります。(ただし、養子縁組から7年が経過していれば、離縁から3か月以内の届出によって養子であった時の姓を名乗り続けることが可能です)

そして、養子は養親の戸籍から抜けることになり、元の戸籍に戻るか新しい養子のみの戸籍を編成するかを選択する必要があります。

養親の戸籍にも「X月X日養子縁組解消」と養子が抜けたことが明記されます。

このように戸籍から抜けるわけですから、離縁すると、当然に養親子間での相続関係は無くなります。

養子縁組の関わる相続手続も行政書士へ相談!

すでに離縁している場合、養親子間での相続関係は無くなります。とはいえ、養子縁組が絡む相続手続は複雑になりがちです。何か判断に迷うことがある場合、相続手続の専門家に、サポートを依頼したほうが安心でしょう。

横浜市の長岡行政書士事務所にご依頼いただけば、養子縁組が絡み、家族関係が複雑なケースであっても、相続人を漏れなく調査いたします。相続人の確定から遺産分割協議書の作成まで、まとめてサポートいたしますので、不安なことがある方はお気軽にお問い合わせください。初回相談は無料です。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
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