相続開始後に必要な遺産の調査とは?調査方法を行政書士が詳しく紹介!

相続開始後に必要な遺産の調査とは?調査方法を行政書士が詳しく紹介! 相続手続の基礎
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「父の相続が始まったけど、遺産がどの程度あるのかどうやって調べるの?」
「遺産分割協議のために、家族が遺してくれた財産を調べたい。」
「相続が始まると遺産の調査が必要と知った。誰に相談できる?」

相続が開始されると、被相続人が遺してくれた「遺産(相続財産)」について、種類や額を特定していく必要があります。そこで、この記事では遺産の調査について、方法や相談先を中心に詳しく解説します。

遺産の調査とは?調査方法を解説

家族が亡くなり、相続が開始されたら残してくれた遺産の種類や額を特定する「財産調査」を行う必要があります。では、なぜ遺産の調査を行う必要があるのでしょうか。この章では調査の目的や方法について、詳しく解説します。

遺産の調査の目的とは

遺産の調査の目的とは、以下の4つが挙げられます。

遺産分割協議のため

相続をする際には、遺言書が無い場合には相続人間で「遺産分割協議」を行う必要があります。遺産分割協議とは、相続人がどの種類の財産を、いくらもらうのか決めるものです。そのため、遺産の種類や額を正しく特定する必要があります。

合わせて読みたい:遺産分割協議とは~知っておきたいポイントと注意点を解説

円満な財産の承継

未把握の財産があると、管理する方がいないまま放置されてしまいます。財産を正しく、円満に承継していくためには、不動産や預貯金などの財産を把握する必要があります。

相続税や相続登記漏れを防ぐ

被相続人が遺してくれた財産を適切に把握しなければ、相続税を期限内に納付できなかったり、不動産の相続登記漏れが起きてしまうおそれがあります。期限内に行うべき手続きがもれないようにするためにも、遺産の把握は必要です。

相続放棄など検討するため

遺産には借金も含みますが、相続放棄をすることが可能です。しかし、相続放棄は「自己のために相続があったことを知った時」から3か月以内に行う必要があります。手続きが遅れると相続放棄ができなくなるおそれがあるため、借金も含めた遺産の調査が欠かせません。

合わせて読みたい:相続放棄とは?遺産相続で負債がある場合の対処法を行政書士が解説!

遺産の調査方法とは

遺産の調査はどのように行えば良いのでしょうか。まず、調査に使える主な資料を紹介します。

財産名              調査方法に使える資料
預貯金通帳やカード、取引のありそうな金融機関への問い合わせ、金融機関からの郵便物など
不動産固定資産税の納税通知書、登記済権利書、名寄帳など
有価証券取引のありそうな証券会社への取り合わせ、ほふり(※)など
保険保険証券など
その他宝石や絵画などの鑑定書など

財産にはさまざまな種類がありますが、調査に使える資料を基に、調べていくことが可能です。たとえば、よくある預貯金については給与や公的料金の引き落としのために、口座を開設していることが多いため、心当たりがある金融機関がある場合は、しっかりと調査を行うことが大切です。

また、不動産のように、納税があるものは固定資産税の納税通知書や名寄帳を活用することで被相続人が所有していた不動産の特定が可能です。

   株式を調査する際に利用する保管証券振替機構について書いてある、こちらの記事もご一読ください。
  
株式の調査方法とは|相続手続きを行政書士が詳細を解説!

借金がある場合の調査方法

借金についても、あわせて調査を進めましょう。借金は「信用情報機関」を使って情報開示請求を行うことが一般的な方法です。また、相続の開始を知った借入先から、督促状が送られることも多いでしょう。

相続放棄を検討する場合には、単純承認(相続したとみなすこと)を避けるために、すぐに返済しないように注意しましょう。請求方法は下記リンクからご確認ください。

■信用情報機関
CIC
郵送、窓口もしくはWEBで申請。10日程度で開示される。
JICC 
郵送、窓口もしくはWEBで申請。10日間程度で開示される。CICとデータが重複する場合もある。
KSC
郵送のみ。10日間程度で開示される。主に銀行・信用金庫などの情報が開示される。

保証債務や個人からの借入にも注目を
保証債務や個人(友人や親族など)からの借入も、遺産に含みます。心当たりがある場合には、借用書などを必ず確認しましょう。

遺産の調査に悩んだらどうする?

遺産の調査は相続放棄などの手続きを見据えると、被相続人の死後すぐからスタートする必要があります。しかし、遺されたご家族は遺品整理などの手続きも多く、遺産の調査については重い負担となるおそれがあります。では、遺産の調査に悩んだらどうするべきでしょうか。

相続人と協議しながら進める

相続人が複数いる場合は、手分けをして調査を進めることがおすすめです。被相続人と同居していた家族がいる場合、通帳や証券などの保管先が分かることも多いでしょう。また、高齢者の相続人よりも、若い相続人のほうが、アプリやパソコンを使いなれているため、ネットバンキングや証券取引の特定がスムーズでしょう。

相続人と協議をしながら相続財産を進めると、特定の相続人の着服・使い込みが疑われにくくなる、というメリットもあります。

行政書士などの専門家に相談する

遺産の調査に悩んだら、まずは専門家に相談をすることもおすすめです。相談先には以下の候補が挙げられます。ただし、相談先によってメリット・デメリットが異なっているためご注意ください。

   相談先候補     メリット       デメリット
各市区町村の無料法律相談無料、予約制で気軽に相談できる。相談回数に制限があることが多く、一般的なアドバイスに留まる。
士業(弁護士・司法書士・税理士・行政書士)専門的なアドバイスが受けられ、そのまま業務を依頼できる実際に業務を依頼する場合は費用がかかる。
法テラス無料、同一案件3回まで利用できる相談できるか方は資力要件をクリアしている必要がある。

遺産調査は急いで行うべき3つの理由

遺産の調査は急いで行う必要があります。その理由とは、主に以下の3つです。

期限がある相続手続きがある

相続手続きの中には、適正に遺産総額を確定させなければ進まない手続きがあります。特に借金の相続をしたくない、とお考えの場合には、早急に遺産の調査を完了させ、相続放棄をするべきか早急に検討する必要があるでしょう。

①相続放棄
借金が多い場合などで行う手続き。プラスの財産が多い場合は限定承認を検討する可能性もあるが、「自己のための相続を知った日から3か月以内」に行う必要があります。

②相続税の納付
相続税の納付は「相続の開始を知った日の翌日から10か月以内」です。

③相続登記
相続登記は令和6年4月1日より義務化されます。「所有権の取得を知った日から3年以内」に申請が必要です。

単純承認となる可能性

遺産の調査を行わず、被相続人の預貯金を使ってしまったり、不要なものを処分したりすると、「単純承認をした」とみなされる可能性があります。財産を使った後に、借金が出てきてしまったら相続放棄ができなくなるおそれがあるため、遺産の調査は欠かせません。

財産が放置されるおそれ

被相続人の財産をきちんと調べなければ、大切な財産が眠ったままになってしまうおそれがあります。埋没してしまったら、大切な財産を相続人の名義にすることができないまま、放置されてしまいます。

その間に相続人が亡くなってしまうと、次に発生する相続の手続きがややこしくなってしまうおそれもあるため、必ず遺産の調査は終えておくようにしましょう。

遺産の調査は行政書士に相談できる!お気軽に長岡行政書士事務所へ

今回は相続時に悩む方が多い、遺産の調査について詳しく解説しました。遺産の調査は被相続人が遺した通帳や納税に関する通知書などを手掛かりに進めることができます。

しかし、財産の数が多いケースや、被相続人が遠隔地だった方の場合には、どこにいくら遺産があるのか判断が難しい場合もあります。

遺産の調査に関しては、行政書士に相談いただくことも可能です。あなたの身近な行政書士に、相続手続きを相談してみませんか。お気軽に長岡行政書士事務所にご相談ください。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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