なぜ行政書士に銀行預金の相続手続を依頼できる?総務省の通知をもとに解説!

行政書士が銀行の相続手続を出来るの?総務省の通知から見る遺産整理業務とは 相続手続の基礎
相続手続の基礎

銀行の相続手続き等の遺産整理業務は、行政書士が活躍している分野の一つです。

しかし行政書士というと、許可申請書類の作成などのイメージが強いかもしれません。そのような方は、なぜ行政書士が銀行預金の相続手続を代行できるのか、疑問に感じるのではないでしょうか。

実際、数年前までは書類作成でもないのに、なぜ行政書士が遺産整理に絡むのかという声も各所であったそうです。

そこで、今回は、行政書士の仕事内容と遺産整理業務のかかわりがテーマです。

行政書士が銀行預金の相続手続などの遺産整理業務をできる理由について、2023年に発表された総務省見解の背景と解釈のもと、「クイズ形式」で楽しく学んでいきましょう。

本記事は、通常の法律の文章は難しいことから、楽しくわかりやすくお伝えするためにクイズ形式にしています。そのため、法律的な表現が少し変、厳密に言うとこうだ!等あるかと思いますが、そこは温かい心で読んでいただきつつ、ぜひご参考にして頂ければと思います。

では、クイズ形式で出題しますので、家族やご友人とチャレンジしてください。さあ、あなたのまわりで、行政書士クイズ王になるのは誰だ⁉

今回も、司会の私と、解説の行政書士長岡さんでお届けしいたします!長岡さん、よろしくお願いします!

この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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法律で定められている行政書士の業務

ではさっそく第1問です!

Q:行政書士の前身であった、明治時代の制度はどんな制度?

A)代理人制度
B)代打人制度
C)代書人制度

正解はCの「代書人制度」です。実は、行政書士のような仕事は、明治時代にすでにありました。依頼人に代わって書面を書き、報酬をもらうという仕事が、行政書士のルーツであったようです。

さあ、長岡さん。明治時代から時を経て、現在は令和。近年ではより国民の生活に密着した法務サービスが求められていますよね。

長岡「ええ、ですので行政書士の仕事も時代に即して変化してきているんです」

そもそも、行政書士にどんな仕事を依頼できるのか、具体的なイメージを持っている人は少ないですよね?

長岡「そうなんです。日本行政書士会連合会のホームページによると、大きく分けて3つの仕事に分かれます」

  • 官公署に提出する書類の作成とその代理、相談業務
  • 権利義務に関する書類の作成とその代理、相談業務
  • 事実証明に関する書類の作成とその代理、相談業務

官公署に提出する書類の作成

長岡「では詳しく解説していきましょう。まずは『官公署に提出する書類の作成とその代理、相談業務』ですね」

これはわかりやすいですよね。行政書士しかできない独占業務です。

長岡「まさしく。この印象が強いので行政書士といえば、書類作成というイメージを持たれている方は多くいらっしゃいますね」

官公署に提出する書類といってもさまざまですよね。例えばどんなものがありますか?

長岡「実はこれがなかなか返答に難しい質問でして。というのも、日本の許認可申請の種類は1万以上あると言われているんです」

い、1万?

長岡「あえて代表的なものを挙げるならば、不動産関係、営業許可関係、建設業許可関係の申請書類になりますね」

例えば、私が飲食店を開業したいと思ったら、飲食店営業許可申請をしなくちゃいけませんが、それを頼めるというイメージですか?

長岡「仰るとおりです」

権利義務に関する書類の作成

長岡「では次に『権利義務に関する書類の作成とその代理、相談業務』ですね」

権利…ということは、遺言書などでしょうか?

長岡「素晴らしい、よくご存じですね! 売買契約や贈与証書、内容証明など、権利を発生、変更、存続、消滅させる意思表示をもつ書類全般を作成することができます」

例えば、何かありますか?

長岡「相続でよく聞く遺産分割協議書などは代表例です。締結されるとすべての相続人が遺産分割協議書の内容に従って遺産を分ける義務を負うことになりますから、とてもしっかり権利が守られる書類ですよね」

事実証明に関する書類の作成

長岡「そして最後が『事実証明に関する書類の作成とその代理、相談業務』です」

事実を証明する書類というのは…なんだろう?

長岡「例えば実地調査に基づく各種図面(位置図、案内図、現況測量図)や相続関係図などが挙げられます」

あれ? このあたりって自分で作成する人もいますよね?

長岡「ご自身で作成もできますが、行政書士が作成すると書類に社会的信用が付きますから、交渉事などもスムーズなんですよ。それに自分で作成するとなると、それが本当に正しい内容かどうか他人に説明するのも大変ですからね。あと、自分で作成する場合、意外と手間もかかりますよ」

遺産整理業務と行政書士の関係性を総務省の通知から読み解く

なるほど。ありがとうございます。でも、この3つの中のどこにも遺産整理の「い」の字も出てきませんよね?いったいどこに紐づくんですか?

長岡「先ほどの遺産分割協議書も権利義務に関する書類になるんですよ」

遺産分割協議書は、確か遺言がない場合に、相続人全員で遺産の分け方を話し合って、「合意しました」という内容をまとめた書類ですよね。確かに、相続人の遺産に関する権利につながってる!

長岡「あと、遺産整理業務に役に立つ相続関係図を例にすると、この書類は『亡くなった人と相続人の関係を示す事実証明』に関する書類となります。

戸籍を取り寄せながら個別に関係を確認して書面に書き起こしていく作業は大変ですが、行政書士であれば戸籍を読み解くことに慣れているので、任せやすいのです。

もしも相続人同士で争いが起きてしまったら、行政書士は代理して交渉することはできませんが、士業同士の繋がりで弁護士の紹介もできますから、いわばトラブルを回避しやすくなるんです」

なんて心強い!

長岡「また、遺産の範囲を確定させるために重要な財産目録というものもあります。これは、被相続人の財産が存在するという事実を証明する書類です」

合わせて読みたい:遺産分割協議とは?流れとポイントを行政書士が解説

前述した通り、行政書士は遺産分割協議書、相続関係図、財産目録の作成を含め、これに関する戸籍請求、金融機関に対する残高証明書の請求などが出来ることから、遺産整理業務に密接に関連しており、従来より業務として出来ると解釈されて来ました。

金融機関の相続手続きは従来から行政書士が対応してきましたよね?むしろ、遺産整理に行政書士が入らない理由が見つからないほど密接しているじゃないですか!

いやあ、勉強になりすぎて、うっかりクイズを出すのを忘れていました…。ではここで問題です!

Q:実務レベルの混乱を解消するため、2023年に行政書士に関する見解を発表したのは何省?

A)総務省
B)財務省
C)あんたが大省

正解はAの「総務省」です。実はしれっと冒頭にも答えが書かれていました(笑)

「行政書士は書類を作成するだけの仕事」という誤解から、実務の現場では遺産整理業務に行政書士が関わるのは業務範囲として適切なのかという声もありました。

そこで日本行政書士連合会の要望により、総務省が「遺産整理業務を含む財産管理業務や成年後見人等は行政書士の業務範囲である」という見解を示したのです。

参考:行政書士が業として財産管理業務及び成年後見人等業務を行うことについて

長岡「ですので、行政書士が財産管理業務(遺産整理業務を含む)及び成年後見人等業務を行うことには支障がないという結論に至ったのです」

銀行の相続手続きも行政書士にお任せください

前置きが長くなりましたが、銀行預金の相続手続きは、行政書士の主要業務である『権利義務に関する書類の作成とその代理、相談業務』『事実証明に関する書類の作成とその代理、相談業務』の範囲で対応可能だということです。

たとえば相続人調査のための戸籍収集、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成などを経て、そのまま銀行への相続手続書類も作成し、実際の手続までワンストップで対応できるということですね。

長岡行政書士事務所でも銀行預金の相続手続をはじめ、各種相続手続に対応しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。初回相談は無料で対応しています。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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