遺産整理と遺品整理の違いとは|行政書士がわかりやすく解説!

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「遺産整理と遺品整理という言葉は似ているが、どのような違いがある?」
「遺産整理と遺品整理、両方の注意点を知っておきたい」
「遺産整理や遺品整理は、専門家に相談したいけど、どうすればいい?」

故人の遺した私物を整理・処分していくにあたっては「遺品整理」という言葉を見かけることが増えています。一方で、相続の手続きでは「遺産整理」という言葉もあります。では、この2つにはどのような違いがあるでしょうか。行政書士がわかりやすく解説します。

遺産整理と遺品整理の違いとは

遺産整理と遺品整理、この2つの言葉は大変似ており、意味を混同している方も多いようです。では、具体的にはどのような違いがあるでしょうか。この章では遺産整理と遺品整理の意味を、それぞれ解説します。

遺産整理とは

「遺産整理」とは、遺産相続に関する一連の流れのことです。家族の死去後に発生する相続では、被相続人(亡くなられた家族)が遺した財産に対して調査を行い、財産の評価を確定させて必要に応じて相続税の申告を行います。相続人が複数いる場合、遺言書が無い場合は遺産全体を分割する協議を行います。

遺品整理とは

「遺品整理」とは、被相続人が遺した家財道具や衣服類など全般を整理することを意味します。遺産相続の場合には預貯金や有価証券など、相続財産の対象となるものが対象ですが、遺品整理の場合は遺産のように価値があるものばかりではなく、遺された写真アルバムや古くなった家具・家電なども含みます。

遺産と遺品の違い

遺産と遺品の違いを、簡潔に整理しましょう。

遺産相続人が遺した価値のあるもの全般。遺産分割協議の対象となる。
遺品相続人が遺した雑貨・家具・家電などの所持品全般。価値の無いものも含み、遺産分割協議の対象とはならないものも含む。

遺品の中には価値のあるものが含まれる可能性もあります。たとえば、一見すると古びたコインでも、相続人がコレクションしていたコイン・コレクションであり価値が高いものの可能性があります。

遺品整理には価値がないものも含みますが、早急に処分するのではなく、慎重に判断した上で処分を検討することがおすすめです。

遺産整理と遺品整理を行うべきタイミングとは

遺産整理と遺品整理は、家族が亡くなられた後にご家族が直面する課題です。では、相続の開始後に、遺産整理と遺品整理はどのようなタイミングで行うべきでしょうか。

遺産整理のタイミング

遺産整理のタイミングは、相続の開始後すぐに始めることがおすすめです。被相続人が遺言書を遺している場合は、財産目録に沿って遺産の特定が可能です。まずは遺言書が残されていないか、丁寧に調べましょう。

遺言書が無い場合、相続人で被相続人の財産を調査します。調査の際には、預貯金類などのプラスの財産だけではなく、ローンや連帯保証などの債務についても調べましょう。

遺品整理のタイミング

遺品整理のタイミングの目安は、いくつか考えられます。

  • 葬儀後
  • 被相続人が住んでいたアパートなどの賃貸物件退却時
  • 遺産整理後
  • 49日の法要後

被相続人が生前におひとりで賃貸物件に入居していた場合、すぐに退去の準備を進めなければいけない場合があります。特に清掃が必要なケースは早期の対応を求められるため、このタイミングで遺品整理を行う必要があるでしょう。

一方で、ご家族と同居されていた方の場合は、死後のさまざまな手続きも落ち着き始める49日の法要後を目安に遺品整理を開始し、ゆっくりと必要な物、処分する物を分けることもできます。

相続放棄や限定承認に注意

一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。

民法921条1号

被相続人が生前に債務を遺している可能性がある場合、遺品整理は慎重に検討する必要があります。遺品の売却処分は、単純承認とみなされます。相続放棄や限定承認の可能性がある場合、債務の有無が確定するまで遺品整理は保留しましょう。

遺産整理の流れとは|相続手続きの基礎作り

遺産整理は価値のある相続財産を整理していくものであり、相続手続きの基礎作りを行う作業です。この章では遺産整理の流れについてわかりやすく解説します。

財産の所在の調査

遺産整理を進めるためには、まずは遺産の種類・総額を確定します。預貯金口座が開設されている金融機関の特定や、不動産の所在地なども確定し、財産の所在をあきらかにしましょう。

相続人調査も合わせて実施すること

相続財産を実際に相続し、継承や処分を進めるためには、相続人を確定する必要もあります。遺産整理を行いながら、相続人の特定も急ぎましょう。相続人が確定しないまま遺産分割協議を行うことはできません。

詳しくはこちらもご一読ください:相続人を確定させる調査方法とは?戸籍謄本と相続関係説明図についても行政書士が解説!

遺産整理が終わったら遺産分割協議を行おう

遺言書が無い場合は、遺産整理が完了したら遺産分割協議を行います。遺産整理で判明した相続財産を相続人間で分割するための協議です。

なお、法定相続分どおりに相続する場合や、相続人が1名のケースでは遺産分割協議は不要です。遺産分割協議が終わると、遺産分割協議書を作成し、預貯金口座の解約など財産を引き継ぐための手続きができます。

詳しくはこちらもご一読ください:遺産分割協議とは~知っておきたいポイントと注意点を解説

遺産整理と遺品整理は誰に相談できる?

遺産整理や遺品整理は、大掛かりとなる場合も多く、「猫の手も借りたい」と感じる人も少なくありません。そこで、諸手続きに不安がある場合は、誰に相談できるでしょうか。この章では遺産整理と遺品整理の相談先について紹介します。

遺産整理は士業などの専門家へ

遺産整理については、士業などの「法律の専門家」へ相談できます。主な相談先士業は以下のとおりです。無料相談を実施している士業も多いため、上手に活用して相談を進めましょう。

相談先 士業名         相談できる主な内容
弁護士相続人間の争いがある場合や、限定承認などの複雑な手続きなど
司法書士相続登記に関することなど
行政書士相続財産の調査や遺産分割協議書の作成、遺言書の作成など
税理士相続税の計算や申告など

遺品整理は専門業者もおすすめ

遺品整理は退去を急ぐケースなどでは、スピーディーに進める必要があります。そのため、遺品整理業者などに相談し、引っ越しを行うような要領で手伝ってもらう方法があります。

遺品整理業者にもよりますが、家具や家電を買い取ってくれることも多く、大型の家財類は処分も一括してくれます。

■ゴミ屋敷の処分も依頼できる
相続人の暮らしていた住まいがゴミ屋敷のような状態だった場合も、遺品整理業者なら清掃もまとめて行ってくれます。ただし、遺品整理業者にもいろんな方がいます。高額の費用が発生するケースもあるため、複数の業者の見積もりを取得しましょう。

遺産整理・遺品整理は法的な視点も忘れずに進めましょう

今回の記事では、混同されやすい遺産整理と遺品整理について、わかりやすく解説を行いました。遺産整理も遺品整理も、相続放棄や限定承認の視点も踏まえた上で進める必要があります。

もしも不安がある場合には、相続開始後にまずは士業に相談することがおすすめです。
法的な視点が抜け落ちたまま手続きを進めてしまうと、大きなトラブルになるおそれがあります。「これ、処分していいのかな」と迷ったら、一度立ち止まって調べてみましょう。

相続のことでご不安がありましたら、横浜市の長岡行政書士事務所までお気軽にご連絡ください。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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