遺産の中に死亡退職金は含まれるのか?相続時の死亡退職金について行政書士が解説!

遺産の中に死亡退職金は含まれるのか? 相続時の死亡退職金について行政書士が解説! 相続手続の基礎
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遺産の中には色々と種類があります。例えば、死亡退職金はこの遺産には含まれるのでしょうか?
死亡退職金と言えば死亡に起因してもらえるものですが、意外とこの死亡退職金の扱いについては遺産に含まれるかは分からない方も多いのではないでしょうか。
今回はこの死亡退職金と相続の問題について「物語風」に解説していきます。死亡退職金と相続の関係にお悩みの方はぜひ最後までご一読してください。

現世から遠く遠く離れた、魔王が支配する異次元世界で、打倒魔王を掲げ旅をする勇者一行。

勇者を筆頭に、男気のある兄貴分的存在の戦士、知性を武器にパーティを支える僧侶、そしてひとりだけなぜか欲望にまみれた老魔法使い、最初は敵ながら勇者に憧れて加わったスライムという面々。

ところが、この勇者、なんと現世で行政書士をして男が、ひょんなことから転生してした姿だった…。

そんな勇者だけに、今日もモンスターを倒すより、異世界の住人からの相続相談のほうが忙しくなってしまうのだが…。

ある日、モンスターとの戦闘を終えた勇者は、意外な出来事に遭遇します。なんと倒されたモンスター「さまようカブト」が、死亡退職金について相談し始めたのです。

死亡退職金とは

死亡退職金とは、労働者又は会社役員が死亡した際に、会社が受給権者に対して一定額を支給する制度のこと。会社の規定(就業規則等)により定められており、基本的には退職金と同じく、会社側が任意で設定するものとされています。

死亡退職金は遺産(相続財産)にはならない

戦士「こいつはぶったまげたぜ…。魔王の一味が株式会社化していたとはな…」

スライム「ぼくはアルバイトレベルでしたので、退職金とか関係なかったけど」

カブト「私は…もうダメなので…最後に勇者さん、死亡退職金が出るのかどうかだけ教えてもらえますか…」

魔法使い「魔王だけに、名実ともにブラック企業だったんじゃろうか…」

戦士「おっ、うまいな、じいさん!」

僧侶「ちょっとふざけている場合じゃないわよ。ねえ勇者さん、教えてあげてよ。ふむふむ? まずは退職金と死亡退職金の違いを知るところから?」

戦士「なあカブト。勇者さんが言うにはな、死亡退職金には2つの考えがあるみたいだぞ」

①遺族のための債権とする考え
働いた本人ではなく第三者に給付される。そのため、労働者と会社との契約によって生まれた債権(お金を請求できる権利)となる。

②賃金の後払い(給料)とする考え
退職金と同じように、労働の対価として支払われているという解釈。給料として支払われているので、基本的に死亡した労働者の財産なるが、単に契約による債権だとする考えと、給料と同一視する考えに分かれる。

僧侶「なるほどね。②の場合で、給料だと考えるなら基本的には死亡した労働者本人が持っている権利である…か」

戦士「カブト、遺族はいるのか?」

カブト…「『さまよう小手』と『さまよう鎖かたびら』という子供がいます…」

魔法使い「センチメンタルになるところなのに、どうしても笑いが抑えられんのはわしだけ?」

僧侶「もう! ねえ、勇者さん、魔法使いのおじいさんが死んでも死亡退職金なんて出してあげなくていいからね!」

魔法使い「そんなあ…って、わしら会社じゃなかろうがい!」

戦士「勇者さんが言うには、死亡退職金は、それを受け取った人の固有の財産であるらしいぜ。つまり、受け取った人個人の財産であり、相続の対象にはならないんだってよ」

スライム「そもそも固有の財産ならば、それは既に受け取る人のものではないんですか? 死亡退職金が遺産のような扱いを受けることもあるのかな?」

死亡退職金と会社の規定

死亡退職金は、会社の規定により生じます。規定がないなら死亡退職金はなくても構わず、その受給権者の設定は基本的には当事者が任意に定めるものになります。

①受給権者が特定されている場合は相続財産とならない
当事者によって受給権者が明確に定められている、指定された人が死亡退職金を受け取り、それはその人の財産だとみなされる。

②受給権者が特定されていないときや不明な場合は相続財産となり得る
受給権者が単に相続人とされていたり、そもそも受給権者が誰かわからないような場合は、遺産と同じように、相続人同士で分割して死亡退職金を受け取る形になる。

③死亡直前に退職金を受給した場合は相続財産となる
労働者が会社を退職し、退職金の受給権が発生した後すぐに死亡したような場合、通常の退職金とみなされる。労働者がその受給権を持った状態で死亡したことになり、受給権が相続されたと考える(遺産分割の対象になる)。

僧侶「カブトさんの場合は…」

カブト「…一応会社の規定で死亡退職金は出るようになっているんですが、受給権者が特定されていないかも…」

戦士「ふむふむ、その場合は②だから、相続人同士で分割して死亡退職金を受け取るわけか。一応受け取ることはできるみたいだから安心しろよ、カブト」

スライム「あの、ひとつ質問なんですが」

僧侶「なあに?」

スライム「相続には特別受益がありますよね? その辺は心配しなくていいんですか?」

死亡退職金と相続との関係

相続には特別受益という考え方が存在します。特定の相続人に多くの財産が与えられたならば、その分、他の相続人との公平を考慮し、財産を多くもらった相続人が受け取る他の相続財産を減らすという仕組みです。

死亡退職金と特別受益

戦士「勇者さんが言うには、死亡退職金が遺族の生活を保障するためのものと考えられるならば、特別受益に該当しにくいんだそうだ。でも例外もあるんだってな」

スライム「例外?」

戦士「2人の遺族がいたとして、片方のみが死亡退職金を受給した場合に、裁判所は特別受益を認める判決を出しているんだって」

魔法使い「まあ、そうじゃないといざこざのもとになるわな」

戦士「特別受益に該当しやすくなるパターンもあるみたいで、死亡退職金が賃金の後払い的なもの=給料であると考えるとき…つまり、その人の報酬(給料)のような意味合いで与えた死亡退職金は、遺産としての性格を持つことがあるそうだ」

死亡退職金と遺留分

僧侶「なるほどね、勇者さん。え? 遺留分との関係にも注意が必要ですって?」

スライム「ああ、なるほど、ピンときました。遺留分とは、相続人の保護のために設けられた最低限の相続財産を保障する制度ですよね。仮に遺留分の額に死亡退職金が含まれるならば、もちろん遺留分の金額が変わってしまうから…ですよね、勇者さん?」

魔法使い「勇者さんがうなずいておる。正解のようじゃな」

僧侶「ちなみに、死亡退職金に相続税がかかることもあって、それはみなし相続税って呼ばれるみたいね」

死亡退職金と相続の問題は専門家に相談

スライム「いろいろ説明したけど、カブトさん、わかったかな?」

カブト「…たぶん」

戦士「なんだそりゃ。なあ勇者さん、このままカブトが死んじまっちゃ後味わりいや。一度回復して、ちゃんと相談を受けてみたらどうだい?」

僧侶「なんだか私たちと魔王軍、複雑な関係になってきたわねえ…はい、回復呪文!」

カブト「うおおお! ありがとうございますってばよ! ようし、しっかり死亡退職金のことを勉強して、明るくすこやかに死んでいくぞ!」

魔法使い「…わし、頭痛くなってきた」

この記事を詳しく読みたい方はこちら:死亡退職金は相続財産になるのか?行政書士が解説する死亡退職金と相続の関係

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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