養子は相続の時にどうなるの?普通養子縁組と相続を解説【吾輩家族の相続事情】

養子は相続の時にどうなるの?普通養子縁組と相続を解説【吾輩家族の相続事情】 相続に関連する法制度
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遺産相続の際に大事な法定相続人。法定相続人には優先順位が決まっており、それを法定相続順位と言います。

子どもが法定相続人であることはご存知の方も多いと思いますが、養子の場合はどうでしょう。

養子の場合の法定相続分は?実親との関係は?どうなるのでしょうか。

今回はこの養子縁組と相続との関係について「物語風」にお話しいたします。

・・・・・

吾輩は猫である。

名前はまだな…いや、一応あるのはあるのだが、気に入らないので名乗らない。

どうして吾輩がここで語っているかというと、わが主が原因だ。

以前、わが主の人間(女性)が、薄暗いところでニャーニャー泣いていた。

どうやら主の父親の遺言やら相続やらの問題で、わが主もほとほと困っていたようなので、行政書士の長岡とやらのもとに出向かせたのだ。

すると、長岡とやらの仕事っぷりに崇敬の念すら抱いたわが主が、「行政書士に、私はなる!」と言い出す始末。

相談者を見つけては足しげく事務所へ通う日々なのである。

さて、今回はどんな厄介ごとを持ち掛けるのやら。いつも面倒をかけてすまんな…長岡とやら。

普通養子縁組の相続

養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組という2つのしくみがあります。普通養子縁組とは、実の親とは別に、養子縁組を行うもの。養子にも相続をさせることができます。

わが主「センセ、ちょっと! 私、養子縁組をしようと思うんです」

長岡「どうしたんです、突然?」

わが主「だってほら、私たち夫婦は子がおりませんのでね。行政書士の勉強をしていく中で、相続のことを勉強して、なんだか心配になりまして。この猫に相続させるわけにはいきませんでしょ?」

突然なにを言っているのだ、わが主よ。

長岡「まあ、お気持ちはわかりますが…具体的に話は進んでいるのですか?」

わが主「できれば、イケメンの子がいいなあって…」

長岡「…理想の話なのですね、まだ」

すまぬ、長岡とやら。たぶん、こないだ見たドラマを見て一目ぼれした新人俳優に入れ込んでいるだけだと思われる。

わが主「でね、まずは知識が大事でしょ。そこでセンセに教えていただこうと思って

長岡「わかりました。今日はご依頼が落ち着いて少し時間がりますから、レクチャーいたしましょう。

普通養子縁組のしくみ

わが主「じゃあ早速。普通養子縁組って、なんですのん? 相続できたり、しますのん?」

…そこからかい、わが主よ…。

普通養子縁組とは、実の親とは別に、養子縁組を行うものです。たとえば、会社の後継者にになる子が居ないなどの場合、行われたりします。

長岡「普通養子縁組でも相続権はあります。血縁である実子と同様ですね。実の親の相続権もありますから、こんなふうに行われます」

  • 実の親が亡くなった時の相続人になる
  • 養子縁組上の親(養親)が亡くなった時の相続人にもなる

特別養子縁組との違い

長岡「特別養子縁組との違いは、実親が亡くなっても、実親の遺産の相続権があるということです。特別養子縁組の場合、養親との親子関係をつくる段階で、実の親との親子関係は断絶するんです」

わが主「だ、断絶…サスペンスドラマのにおいがする…」

行政書士の勉強ほったらかしで、ドラマばかり見てるわが主らしいリアクションだ…。

わが主「まあ今回は、普通養子縁組の話すですもんね。気になるのはメリットとデメリットですね」

我が主、そこな。そういう発言、大事であるぞ。ふざけた発言ばかりして、このコラムの品格を落とすのではないぞ…。

相続における普通養子縁組のメリット・デメリット

普通養子縁組は相続対策として行われることも多くあります。基礎控除が受けられる額がふえるなどのメリットがある一方で、相続人が増えることで遺産分割協議が揉める可能性がたかくなるなどのデメリットもあります。

普通養子縁組のメリット

長岡「メリットは、普通養子縁組で相続人が増えることで、基礎控除が受けられる額が増えることですね。相続税の基礎控除は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)と決まっていますから」

わが主「つまり、相続人を増やせば増やすほどお得なんですね!」

長岡「いや…そんなテレビ通販のような、まとめて買うとお得みたいな発想ではないですけども…」

わが主「なんだ、駅前で「一緒に相続人やりませんか」ってビラ配ろうと思ったのに」

やめてくれ、わが主よ。見ろ、長岡とやらの絶望にまみれた顔を…。あんぐり口を開ける人間なんて、ギャグマンガ以外で初めて見たぞ…。

長岡「さすがに無限に相続人が増やせないように、制限が設けられていますから、無理ですね…。認められる養子の人数は、実子がいない場合は2人まで、いる場合は1人だけなんです」

わが主「なるほど…オーディションが必要ね」

…そういう問題ではない。

長岡「…ちなみに、生命保険の非課税枠は「500万円+法定相続人の数」、死亡退職金の非課税枠も「500万円×法定相続人数」のため、基礎控除以外でも法定相続人数が増えるメリットがあります」

普通養子縁組のデメリット

わが主「ほんでほんで、デメリットはなんですのん?」

…その吉本新喜劇みたいなフリ方はなんなんだ?

長岡「大きく分けて3つあります。簡単にまとめましたのでご覧ください」

相続人が増えると遺産分割協議が揉めるかも?
相続人が増えると、財産を多くの人数で分割することになります。つまり、相続人間で揉めてしまいやすいのです。遺産分割協議で、実子と養子が壮絶なバトルをしたという話も実際にあります。

相続税が2割加算される
養子は一親等に数えられます。でも、一部特例を除き、養子縁組をしても相続税の2割加算対象となります。遺産を孫に承継させるときには、この仕組みを知っておく必要があります。

離婚時にトラブルが起きやすくなるかも?
円満な夫婦・家庭関係では養子にはメリットがありますが、離婚することになったら、通常の離婚手続きだけではなく、養子縁組の解消も必要となります。手続きも複雑ですのでで、やはり壮絶なバトルが…なんて話も実際にあります。

わが主「センセ、そんなデメリットがあるなら、養子縁組なんてハードルが高いだけじゃないですか?」

長岡「そこはコツがあるんです」

普通養子縁組をして相続を円満に迎える2つのコツ

相続対策や事業継承などを目的に普通養子縁組を行う方は多くいます。相続を円満に乗り越えるためには、コツが必要となります。

養子縁組を家族間で話し合う

長岡「まずは家族間でしっかり話し合ってから、養子縁組をすることですね。当然と言えば当然のことなんですが。勢いに任せるなんてもってのほかです」

わが主「うっ…耳と胸と、腰が痛い」

腰は、単に凝っているだけであろう。

長岡「たとえば、事業承継を見据えて普通養子縁組をしたとしましょう。親族の中で事業などを承継してきた歴史があると、普通養子縁組に対する抵抗感は低いと考えられます。でも先ほどの法定相続人数が増えるデメリットもありますから、揉めないために、家族間でしっかりと納得しておかないといけませんよね」

わが主「わかりました。もうひとつのコツはなんですのん?」

遺言書を作成しておく

長岡「遺言書を作成しておくことです。円満な家族関係であっても、相続が開始された後に、実子VS養子の間で、遺産相続決定戦のようなバトルのゴングが鳴ることもあるんです」

…長岡とやら、プロレス風に言うのかい。わが主のおかしなところに汚染されてきてないか…?

長岡「特に財産額が多かったり、複雑な事業承継が絡んでいる場合は、遺産分割協議が難航しやすいんです」

わが主「そこで、お勧めなのが遺言書なんですね! 円満な相続を目指すために、一家に一通、遺言書!」

長岡「スムーズな相続をお考えの皆様に朗報ですよ!」

…あかん。長岡とやら…かえってこーーーい!

長岡「失礼しました、つい楽しくなって。遺言書があると、誰がどの財産を、いくら相続するのか示すことができますから、さまざまな相続手続きがスムーズになります」

わが主「たとえば?」

長岡「きちんと財産目録として作っておくことで、相続人が財産の調査をする工程が簡素化されます。債務がある場合でも、どこにいくらあるのか、きちんと遺しておくと、債務の承継に驚かなくてもよくなりますから」

わが主「相続が始まるったら、事業承継や退職手続き、相続税申告や相続登記とか、やらなければいけない手続きが多いですもんね」

養子縁組後の相続を安心に迎えるために遺言書の作成も検討

…ここ、唯一わが主が勉強したとこらしい。

長岡「そうなんです。だから、相続手続きのロードマップとして遺言書を作っておくべきなんです。あと、特別養子縁組というのもありまして…」

わが主「ありがとうございました、センセ! さっそくイケメンをスカウトしてきたいと思います!」

…だめだこりゃ。迷惑かけたな、長岡とやら。次いってみよう…。

養子縁組後の相続は自分の大切な人を親子同一の関係に出来る、相続税際の基礎控除が増えるなど、
様々なメリットがある一方で、デメリットも存在します。

養子縁組をする際はしっかりとその評価をし、円満な相続のために遺言書の作成も検討し、
想いを将来に託すことが大事です。

長岡行政書士事務所は皆様の相続を応援しています。
将来の相続を安心に迎えたい方はお気軽にご連絡ください。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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