「亡くなった父のゆうちょ銀行の口座は、どうやって相続すればいいのか」
「ゆうちょ銀行の口座を相続する際の注意点を知りたい」
全国に多数の店舗やATMがある「ゆうちょ銀行」は、口座をお持ちの方が多い金融機関の代表例ですが、同時に「どう相続手続を進めればいいのか?」という声を聞くことも多いです。
そこで今回は、ゆうちょ銀行の相続手続きの流れを紹介します。いくつか注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ゆうちょ銀行における相続手続の流れ
ゆうちょ銀行の相続手続きは、大きく45つのステップに分けられます。
- 相続手続をゆうちょ銀行に依頼する
- 相続確認表を準備・提出する
- 必要書類を準備・提出する
- 払戻金を受け取る・名義変更を終える
それぞれ詳しく見ていきましょう。(参考:ゆうちょ銀行)
1.相続手続をゆうちょ銀行に依頼する
まずは、被相続人が亡くなったこと、ゆうちょ銀行に口座を持っていたことをゆうちょ銀行側に伝えます。連絡の方法は以下の2つから選べます。
- お近くのゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口に出向く
- ゆうちょ銀行の「相続コールセンター」へ電話する
電話番号:0120-312-279 受付時間 9:00~17:00
(土・日・祝日・12月31日~1月3日を除く)
2.相続確認表を準備・提出する
窓口や郵送(コールセンター経由)で手続きを進める場合、「相続確認表」というゆうちょ銀行特有の書類を提出する必要があります。
相続確認表とは亡くなった方の情報(氏名、生年月日、住所など)や、判明している記号番号(ゆうちょ銀行における通帳の番号)、法定相続人が誰であるかなどを細かく記入する書類のことです。
相続確認表はゆうちょ銀行のサイトからダウンロードできるほか、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口でも入手できます。ご自宅で印刷される場合はA4サイズの白紙、感熱紙は不可ですのでご注意ください。
また、相続確認表の裏面には「貯金等照会書(相続用)」が用意されています。記入して提出することで、被相続人名義のすべての口座(普通貯金、定期貯金、振替口座など)や、正確な残高をまとめて調査してもらうことが可能です。ただし、調査で判明した口座は凍結されます。
ちなみに、スマートフォンやパソコンから24時間いつでも相続手続きの受付ができる「相続Web案内サービス」や「ゆうちょ手続きアプリ」(※)から相続手続を進める場合、相続確認表のご提出を省略できます。
(※上記リンクから入ると、相続Webサービスやゆうちょ手続きアプリのダウンロードサイトへ進めます)
3.必要書類を提出する
窓口に相続確認表を提出した場合や、「ゆうちょ手続きアプリ」で手続を進めた場合、約1〜2週間で、相続手続の専門部署である「ゆうちょ銀行貯金事務センター」から郵送で、「必要書類のご案内」が届きます。
この案内に沿って、次のような必要書類を集めていきましょう。
遺言書がない場合(例)
- 亡くなられた方の婚姻(初婚、未婚の場合は16歳)から死亡までの連続した戸籍謄本
- 亡くなられた方の預金通帳等
- 相続人の印鑑登録証明書
- 遺産分割協議書(ある場合)
- 相続払戻金を受け取る相続人の実印
遺言書がある場合(例)
- 亡くなられた方の婚姻(初婚、未婚の場合は16歳)から死亡までの連続した戸籍謄本
- 亡くなられた方の預金通帳等
- 遺言書
- 相続人・遺言執行者の印鑑登録証明書
- 遺言執行者選任審判書(遺言執行者が家庭裁判所に選任された場合)
※遺言書がある場合の相続手続では、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本は通常求められません。
遺言書で誰が何を受け取るかが決められているなら、相続人全員を突き止める作業が原則不要になるためです。
ただし、亡くなった方の死亡の事実が分かる戸籍謄本は求められます。
一方、ゆうちょ銀行の公式サイトには、遺言書がある場合であっても、婚姻(初婚、未婚の場合は16歳)から死亡までの連続した戸籍謄本が必要書類例として記載されています。
これは他行よりも厳しい独自の基準といえます。
※遺言書については、自筆証書遺言・秘密証書遺言は検認済みのものを提出します。
また、公正証書遺言を電磁的記録として作成した場合は、公証役場で受領した書面を提出します。(自身で電子データを印刷した書面は受け付けてもらえないため注意してください)
なお、必要書類に押す印鑑は印鑑証明書と同じ実印を使用します。必要書類は追加・変更となる場合もあるためご注意ください。
必要書類を収集し終えたら、ゆうちょ銀行の貯金窓口に提出します。原則としてゆうちょ銀行へは戸籍謄本などの原本を提出する必要があります。返却を希望される場合は事前に伝えましょう。
4.払戻金を受け取る・名義変更を終える
必要書類の審査が完了すると、ゆうちょ銀行の相続手続が完了します。
被相続人が有していたお金を受け取るためのスケジュールの目安は以下です。
- 貯金払戻証書、通常貯金口座で受け取る場合は完了後1~2週間程度
- 他行へ送金する場合は3~4週間程度
ゆうちょ銀行の相続手続における注意点
すでに何点か紹介しましたが、ゆうちょ銀行の相続手続には、一般的な民間銀行(都市銀行や地方銀行)とは異なる独自のルールや必要書類が存在します。また、銀行全般の相続手続を進めるうえで、知っておきたい注意点も少なくありません。
そこでここからは、ゆうちょ銀行の相続手続を進める際に知っておきたいポイントをいくつか見ていきましょう。
相続手続を依頼すると口座は凍結される
他行の口座も同様ですが、ゆうちょ銀行に名義人が亡くなったことを連絡(相続手続の開始を依頼)した時点で、その口座は完全に凍結されます。
凍結されると、キャッシュカードでの現金の引き出しや公共料金やクレジットカードの自動引き落とし、年金の受け取りなどがすべて停止します。
葬儀費用や当面の生活費、引き落とし口座の変更などを事前に確認・整理してから手続を依頼しましょう。
関連記事:口座凍結のタイミングはいつ?相続発生後の死亡届と銀行凍結の関係について行政書士が解説!

相続確認表という独自の書類がある
ゆうちょ銀行の相続手続では、他行にはない「相続確認表」という独自の書類を提出する必要があります。
これは、亡くなった人の情報や相続人の関係性、遺言書の有無などを事前にゆうちょ銀行へ申告するものです。まずはこの書類を提出しないと、その後の正式な請求書類(請求書一式)を発行してもらえないため、早めに手続をしましょう。
Webやアプリを使用しないと時間がかかりやすい
ゆうちょ銀行では「相続Web案内サービス」を提供しており、ネット上で必要事項の入力や必要書類確認を行うと、手続をスピーディーに進められます。
一方で、すべてを郵便局の窓口や郵送の書面だけで進めようとすると、書類の往復や確認に日数がかかり、完了までに数ヶ月を要することもあるため注意が必要です。
【注意】相続Web案内サービスを利用できないケース
便利な相続Webサービスですが、以下のようなケースでは利用できず、窓口での対応が必要です。
- 亡くなられた方の貯金の有無・記号番号が不明
- 投資信託、投資一任サービスを利用している
- 非課税貯金を利用している
- 住宅ローンを利用している
- 電子マネー(Suica・Edy)を利用している
- 亡くなられた方よりも後に亡くなった相続人がいる
相続センターでの審査となるため郵送のやり取りが必要
ゆうちょ銀行や郵便局の窓口はあくまで「相続の窓口」を担う場所です。実際の書類審査や手続、払戻しなどは、相続事務を専門に扱う「ゆうちょ銀行 相続センター」が一括して行っています。
窓口では不備の調査は行っておらず、相続センターから不備の指摘や追加書類の要請が郵送で届くことがあります。
払戻金は代表相続人へ一括で払い戻される
ゆうちょ銀行の相続手続でお金を払い戻してもらう場合、「法定相続分で分けて振り込む」などの分割振込には対応していません。
「代表相続人1人の指定口座」へ全額が一括して振り込まれます。 そのため、お金を受け取った代表相続人は、遺産分割協議の内容に従って、自分の口座から他の相続人へお金を分ける手続きを行う必要があります。
相続人間のトラブルを防ぐためにも、事前にしっかり相続人間で情報を共有しておきましょう。
ゆうちょ銀行の相続手続でよくある質問
ここからは、ゆうちょ銀行の相続手続でよくある質問について解説します。
口座開設を行ったゆうちょ銀行以外でも手続できますか
全国どこのゆうちょ銀行の貯金窓口でも手続の開始が可能です。
亡くなった被相続人が遠方に住んでいた場合でも、ご自身の自宅や職場の近くにあるゆうちょ銀行・郵便局の窓口で手続きを開始することができます。
ただし、ゆうちょ銀行の相続手続時に発生する書類審査などは相続センターで一括して行っているため、郵送でのやり取りも発生します。
ゆうちょ銀行の相続手続に期限はありますか
ゆうちょ銀行の相続手続に明確な期限はありませんが、早めの手続が大切です。
まず、長期間払戻しなどをせずに放置している間に、次の相続が発生して相続人の数が膨れ上がる可能性もあります。
また、ゆうちょ銀行の貯金は、最後の取扱日から長期間(通常10年、民営化前の旧郵便貯金の場合は条件により異なる)放置されると、規定により権利が消滅したり、払戻手続きが複雑になったりするリスクがあります。(参考:総務省|郵便貯金の権利消滅に関するお知らせ)
こういった背景があるため、明確な期限はないものの、なるべく早く手続するのがおすすめなのです。
関連記事:相続から数年経過して見つけた銀行預金(古い通帳)はどうする?手続方法を行政書士が解説!

ゆうちょ銀行の相続手続は自分で進められますか?行政書士へ相談したほうがいいですか?
ゆうちょ銀行の相続手続は、自分で進められます。
しかし、実際の相続発生時には、ゆうちょ銀行の口座を引き継ぐ以外にも、さまざまなことに対応しなければなりません。たとえば遺言書がなければ、遺産分割協議をするために相続人を確定させる調査から始める必要があります。また、そもそもどの金融機関に遺産が残されているのかも調べなければなりません。
また、ゆうちょ銀行の相続手続を自分で進めてみたものの、書類の書き方がよくわからず困ってしまった、ということもあるでしょう。
そのため、自分で進める自信がない、自分で進められるとも思うけど時間がない、といった場合には、相続手続をサポートしてくれる行政書士などの専門家へ依頼するのがおすすめです。
たとえば横浜市の長岡行政書士事務所へご相談いただけば、相続人調査・相続財産調査から、実際の金融機関での手続まで、丸ごと代行いたします。
相続手続のお悩みは
横浜市の長岡行政書士事務所
対応エリア:横浜市・神奈川県全域・東京23区
平日9:00~21:00(土日祝日予約制)
ゆうちょ銀行の相続手続は横浜市の長岡行政書士事務所へ
ゆうちょ銀行の相続手続は、この記事で紹介した流れに沿えば、自分で対応していくことも可能でしょう。
しかし、ゆうちょ銀行以外にも金融機関の口座をたくさんあったりすると、自分ですべての手続を進めるのに多くの手間がかかります。
そのため、「やろうと思えば自分で手続を進められるかもしれないけど、早く日常に戻りたい」と感じる場合は、ぜひ行政書士などの専門家へ相談してみてください。
横浜市の長岡行政書士事務所は、ゆうちょ銀行の相続手続はもちろん、その前段階の相続人調査・相続財産調査・遺産分割協議書の作成なども丸ごと対応しています。初回相談は無料なので、何か困ったことがある場合はお気軽にお問い合わせください。


