「父親は生前に生命保険に加入していたはずだけど、契約先が分からない」
「生命保険に入っていたはずだけど、相続開始後に証券が見つからない」
「相続時に生命保険契約を見つけるには、一体どうすればいいの?」
多くの方が病気や万が一の際の家族への資金として、生命保険に加入しています。相続開始後に生命保険に死亡保険金などの請求を行おうとしても、契約先がわからない場合はどうすればよいでしょうか。
そこで、この記事では相続時の生命保険契約について、「生命保険契約照会制度」について詳細を解説します。
故人の生命保険契約の調べ方は3種類
多くの方が加入している生命保険ですが、家族が亡くなった後に「一体どこの生命保険に加入していたのかわからない!」となってしまうケースは少なくありません。
では、もしも生命保険が見つからなかった場合には、どのように対処すれば良いでしょうか。故人の生命保険契約の調べ方としては、次の3種類が挙げられます。
- 証券や契約関係の書類、通帳の記載を探す
- 保険代理店に確認する
- 生命保険契約照会制度を活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
証券や契約関係の書類、通帳の記載を探す
生命保険の多くには、「証券」や「契約書類」が作成されています。証券や契約書類があると、加入先の保険会社や契約内容が把握できるため、まずは探してみましょう。終身型の生命保険の場合、被相続人が亡くなるよりもかなり以前に加入していることがあります。
タンスや机の引き出し、大切な書類を保管しているスペースなどを確認しましょう。
口座引振替契約となっている場合、保険会社名で被相続人名の通帳から引き落としが発生している場合があります。通帳に保険会社名がある場合は、その保険会社へ問い合わせてみることもおすすめです。
過去に疾病などの理由で保険金を受け取ったことがある場合は、通帳にその記録が残っていることもあります。
保険代理店に確認する
ご自宅の保険契約を特定の保険代理店に依頼している場合、生命保険の加入有無について代理店に確認されることもおすすめです。代理店は契約者管理を行っているため、ご家族にはわからない生命保険契約が見つかることがあります。
生命保険契約照会制度を活用する
命保険契約が見つからない場合は、「生命保険契約照会制度」を活用することもおすすめです。
生命保険契約照会制度は、生命保険の契約の有無について調査を依頼できる制度です。この制度は一般社団法人生命保険協会が運営している制度で、当協会には多くの生命保険会社が会員として登録しています。なお、本制度は令和3年7月からスタートした新しいものです。
ただし、照会対象となる契約は”照会した受付日時点で有効なもの”に限ります。以下のような生命保険契約は調べることができないため注意しましょう。
■照会対象外の生命保険
・死亡保険金がすでに支払われているもの
・すでに生命保険が解約されているもの
・保険料未払いなどの理由で失効しているもの
・財形保険
・財形年金保険
・支払いが開始されている年金保険
・保険金などが据え置きとなっている保険(※)
(※)保険金が据え置きとなっている保険とは
支払が発生した死亡保険金や満期保険金などを、すぐに受取らずに保険会社側にそのまま預けておくことを意味します。据え置くことで利息が発生します。
生命保険契約照会制度の利用方法
生命保険照会制度を利用したい場合は、生命保険協会に対して、オンラインまたは郵送で照会を申し出ます。(照会依頼を受けた生命保険協会は、各保険会社に調査依頼をします)
そして生命保険照会制度を利用するためには、以下の費用と必要書類を用意する必要があります。
①費用
1親族につき3,000円の手数料が必要です。
②必要書類
・照会代表者の本人確認書類1点(運転免許証、健康保険証、個人番号カードなど)
・原則として照会したい方の法定相続情報一覧図(※)
・委任状(任意代理人が手続きをする場合)
・遺言書(遺言執行者が手続きをする場合)
・資格者会員証等(行政書士などの士業が手続きをする場合)
(※)生命保険協会は法定相続情報一覧図の提出を推奨しています。「法定相続情報一覧図」とは、被相続人を起点に家系図のように相続関係を可視化した書類のことです。(関連記事:法定相続情報一覧図とは?作成方法(申請方法)やメリット・注意点)
用意できない場合は相続人・被相続人の戸籍謄本類の提出が可能ですが、不足・不備が多いため注意喚起をしています。必要書類については下記をご確認ください。
参考URL:一般社団法人生命保険協会 必要書類(平時利用、照会対象者の死亡)、一般社団法人生命保険協会 必要書類(※法定相続一覧図が提出できない場合)
なお、本制度は遺言執行者や法定相続人の任意代理人(行政書士など)からの照会も可能です。
横浜市の長岡行政書士事務所は、法定相続情報一覧図の申請にも対応しておりますので、生命保険契約照会制度の利用とあわせて、ぜひご相談ください。初回相談は無料です。
相続手続のお悩みは
横浜市の長岡行政書士事務所
対応エリア:横浜市・神奈川県全域・東京23区
平日9:00~21:00(土日祝日予約制)
死亡保険金の請求は3年以内
生命保険契約照会制度は、被相続人の生命保険契約を調べる際に大変役立つものですが、利用時には知っておきたい注意点もあります。
それは、死亡保険金の請求は3年以内に行う必要があるということです。つまり、「時効」が設けられているのです。
多くの生命保険会社がこの期限を設定しているため、家族が亡くなったら速やかに生命保険契約を調査し、死亡保険金の請求を行いましょう。
故人の保険加入状況も行政書士に調査を依頼できる
生命保険契約は保険証券や契約書類を見ることで、保険会社名や証券番号、死亡保険金額などを特定できますが、もし証券類が見つからない場合には。「生命保険契約照会制度」を活用することがおすすめです。
しかし「生命保険契約照会制度」では財形保険・財形年金保険などは調査できません。
「生命保険契約照会制度」を活用できない故人の保険を調査するには、通帳に保険料の引き落とし履歴があるかどうかや、年末調整などで生命保険料控除の適用を受けているかどうか、保険会社からの粗品があるかどうか等をチェックする必要がありますが、相応の手間がかかります。
故人の保険加入状況は行政書士に調査を依頼することも可能なので、ぜひ横浜市の長岡行政書士事務所にご相談ください。その後の各種相続手続についても、一貫してお任せいただけます。初回相談は無料なので、まずはお気軽にご連絡ください。