「父が亡くなったので自動車を相続したいが、名義変更にはどのような書類が必要？」
「亡くなった家族が所有していた自動車を処分したいが、手続きはどうすれば良い？」
「自動車の相続における名義変更はどのようにすればいいのか知りたい。」
被相続人（亡くなった方）が所有していた自動車は相続財産に含まれるため適切に相続手続きを進める必要があります。
そこで、今回の記事では行政書士が自動車の相続について、名義変更に必要な書類、手続きするときの注意点を、横浜で相続手続きをサポートしている行政書士として詳しく解説します。
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自動車を相続する方法
自動車の相続は、次の手順で進みます。
- 自動車の所有者を確認する
- 自動車を相続する人を決める
- 名義変更する
- 自賠責保険・自動車保険の相続手続きも進める
それぞれのステップごと、詳しく見ていきましょう。
自動車の所有者を確認する
相続の対象となるのは、あくまでも故人が所有者となっている車です。
車検証に所有者が書かれているため、被相続人が乗っていた愛車だったとしても、被相続人が所有者となっているか必ず確認しましょう。
自動車は所有者＝使用者ではないケースがよくあります。取り扱いについては後述しますが、車両のローンが残存していたり、リース契約で使用している場合は、所有者と使用者が異なります。
もし被相続人が所有者ではなかった場合、相続手続きにあたってさまざまな注意点があることを覚えておきましょう。（詳しい注意点は後ほど解説します）
ひとまず、故人が自動車の所有者であった場合の相続手続き方法を見ていきます。
自動車を相続する人を決める
故人が自動車の所有者であったならば、その自動車を相続する人を決めましょう。
もし遺言書がのこされており、そこで自動車を相続する人が決められていたら、その方が自動車を相続します。
遺言書がない場合、もしくは遺言書で自動車を相続する人が決められていない場合には、
相続人全員で自動車を誰が所有するのか話し合う必要があります。（いわゆる遺産分割協議です）
関連記事：遺産分割協議とは｜目的や条件・注意点を行政書士が解説！
なお、共同相続という方法もありますが、共同で相続をすると、自動車を売りたい相続人・売りたくない相続人との間で対立が生まれるおそれがあります。
不動産と同様、自動車も実物を分割して利用することができないため、できる限り共同相続の状態は避けることが望ましいでしょう。
名義変更する
自動車を相続する人が決まったら、相続にあたって「名義変更」が必要となります。この名義変更によって、相続人がクルマの新所有者となります。
名義変更の手続きには「期限」があるため注意してください。道路運送車両法第13条により、所有者の変更があったときは、15日以内に変更手続きを行う必要があります。その自動車を誰が相続するのかが決まったら、速やかに変更手続きを進めましょう。名義変更を行わないと売却などもできませんので、ご注意ください。
名義変更は、ナンバープレートを管轄する運輸支局で行います。管轄場所の運輸支局は下記国土交通省のリンクをご確認ください。
参考URL 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト 全国運輸支局等のご案内
長岡行政書士事務所のある神奈川県の場合、次のように決められています。
- 神奈川運輸支局：横浜市、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、三浦郡
- 相模自動車検査登録事務所：相模原市、厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、愛甲郡
- 川崎自動車検査登録事務所：川崎市全域
- 湘南自動車検査登録事務所：平塚市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、南足柄市、高座郡、中郡、足柄上郡、足柄下郡
自賠責保険・自動車保険の相続手続きも進める
自動車を運転する際には、強制保険である自賠責保険と、任意保険である自動車保険に加入しています。こうした保険類についても相続手続きを進めなければなりません。
まず自賠責保険は、相続時に解約もしくは名義変更ができます。相続人への名義変更を行った上で解約するか、そのまま新名義人（相続人）が自賠責保険を引き継ぐことになります。
自動車保険も自賠責保険と同様に、解約もしくは名義変更による契約の引き継ぎができます。相続人に名義変更が必要な点も同じです。なお、対象者であれば生前使用していた被相続人の「等級」も継承できます。（等級は同居している家族なら引き継ぎできますが、別居されている場合はできません。）
自賠責保険も自動車保険も、被相続人名のまま継続すると事故時の対応がトラブル化するおそれがあります。自動車相続時には、保険の手続きも漏れなく行いましょう。
自動車相続時の名義変更で必要な書類
自動車相続時の重要な手続きである「名義変更」で必要な書類は以下のとおりです。
| ・車検証 ・戸籍謄本など（所有者が亡くなったことがわかるもの、相続人全員が確認できるもの） ・新所有者の印鑑証明書（発行から3か月以内） ・新所有者の実印 ・車庫証明書（必要に応じて） |
上記にプラスして、相続方法によって以下も提出します。
| ・遺産分割協議書（遺言書がない場合） ・遺言書（遺言書がある場合） ・遺産分割協議成立申立書（車の価値が100万円以下の場合、遺産分割協議書に変えて提出できる） |
なお共同相続の場合は、新所有者以外の相続人全員の印鑑証明書・実印・譲渡証明書が必要となります。以下に挙げるとおり、窓口で記入する書類もあります。
| ・移転登録申請書 ・手数料納付書（別途500円程度の費用も発生） ・自動車税申告書 |
相続した自動車の売却時の注意点
相続放棄する予定なのであれば、自動車を売却してはいけません。
自動車は相続財産に含まれるため、売却などをしてしまうと単純承認とみなされ、相続放棄できなくなるためです。
あわせて読みたい：相続放棄ができなくなる行為とは？法定単純承認について行政書士が解説！
自動車の所有者が故人ではない場合の相続手続き
自動車を相続しようとすると、車検証の所有者の欄が被相続人ではなくディーラー会社やリース会社名になっていることがあります。
ディーラー会社名が入っている時は、所有権留保と言いローンの残債がある可能性が高いでしょう。また、リース会社名の時は、自動車をリース契約していると考えられます。
ローンの残債がある場合、自動車の所有権はディーラー会社などにあります。引き続き使用したい場合は、使用者の変更手続きを行います。
注意が必要なのは残債です。残債も相続財産に含むため、亡き家族が残したローンの残債は相続する必要があります。
ローンの残債を放棄したい場合、相続放棄が考えられます。しかし、相続放棄をすると自動車だけではなく、被相続人が残した預貯金や不動産などの相続もできません。
また、リース契約となっている自動車の場合、カーリース会社側の規約を確認する必要があります。リース契約は途中で解約すると違約金が発生することがあります。原則リース契約は契約者が亡くなった時点で強制解約となり、未納となっているリース料金や違約金の清算を相続人側に請求します。そのため、その他の財産を相続する場合は相続放棄できず、債務を引き継ぐ必要があります。
自動車のリースでは中途解約が原則禁止となっている背景には、リース料のしくみが挙げられます。中途解約すると、リース会社側に損失が発生するような料金体系となっているのです。
リース契約は契約者死亡によるケースはもちろん、事故による廃車も違約金が求められています。しかし、リース会社の中には中途解約できたり、契約者死亡時には違約金がない場合もあります。
安く自動車を使用するためのリース契約が、相続時には相続人には重い負担となる可能性があります。
ローンやリースを利用している自動車を相続するときは、どのように手続きを進めるべきなのか、行政書士などの専門家に相談してみてください。
横浜市の長岡行政書士事務所でも相談を承っております。
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自動車の相続手続きも行政書士に相談できる
この記事では自動車の相続手続きについて、必要書類や注意点も交えながら詳しく解説しました。自動車の相続は必要書類も多く、丁寧に進める必要があります。家族が残した大切な財産を使用・売却するためにも、適切に手続きを進めましょう。
長岡行政書士事務所では、横浜市を中心に幅広く相続手続きのご相談に対応しています。自動車の相続についてもご相談頂けますので、お気軽にご相談ください。
自動車以外の相続手続きについても、相続人調査や財産調査、遺産分割協議書の作成までお任せいただけます。
