相続時に知っておきたい株式証券の手続き|行政書士が詳細を解説!

相続時に知っておきたい株式証券の手続き|行政書士が詳細を解説! 相続手続の基礎
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「亡父は株の取引が好きで、遺産に株式が含まれているけど、どう引き継げばいい?」
「遺産を調べていたら上場株式があるとわかった。手続き方法を知りたい。」
「会社経営の親族の株を母が持っていた。非上場の株だが、どのように扱えばいいか。」

相続する遺産の中には、「株式証券」も含みます。株式証券は、「上場株式」と「非上場株式」に分けられ、相続時の手続き方法が異なります。この記事では2つの株式の種類について行政書士が相続手続きを解説します。

株式証券の相続の基本

被相続人の遺産の中には、株式証券も含まれます。もしも、被相続人が生前にトレードを好んでいたり、親族の会社の株を所有していたのなら、相続時には相続対象となるため、しっかりとその中身を把握する必要があります。この章では、株式証券の相続について、基本を紹介します。

株式は故人所有のまま放置できない

生前に被相続人が株式を所有していた場合、故人所有のまま放置をすることはできません。遺産分割協議の中に含める必要があるほか、株主の名義を変えたりなどの手続きを要するためです。その他の財産を組み合わせると相続税の納付対象となるおそれもあるため、きちんと相続の開始後は、遺産の中に株式が潜んでいないか、確かめるようにしましょう。

相続人が複数いる場合の株式相続方法

もしも被相続人が株式を所有していることが分かったら、遺産分割協議時に誰が、どのように株式を相続するのか決める必要があります。相続人が複数いる場合には、以下の方法で相続します。

・売却後、換価分割
株式を売却してから、現金を相続人の間で分割する方法です。


・売却せずに分割
せっかくの株式、売却をせずに持っていたいと言う場合には銘柄のまま分割することもできます。

・特定の相続人が取得し、代償金を払う
特定の相続人が株式を取得し、その他の相続人に対しては代償金を支払う方法も可能です。

株式の種類

株式には2つの種類があります。相続の際にはそれぞれの特徴に合わせて手続きを進める必要があるため、注意が必要です。

①上場
上場している株式を相続する場合は、証券会社を通して株式の名義変更を行い、相続する方の口座へ株式を移行させます。口座がない場合は、開設をする必要があります。

②非上場
非上場株式は、上場株式よりも相続手続きが複雑です。まずは株式の評価を行う必要があります。非上場株式は、遺産分割協議を行い相続人が決まったら、株式を発行した会社に連絡し、名義の書き換えを行う必要があります。

株の取引の可能性がある場合はほふり機構に問い合わせ

株の取引があったはずが、どこでどのように被相続人が取引していたのかわからない…という場合には、「ほふり」に問い合わせることがおすすめです。

ほふりとは、「証券保管振替機構」のことで、取引していた証券会社が分からない場合に、調査依頼を受けてくれる機関です。上場企業の株式や、社債などの保有情報を開示してもらえるため、賢く活用しましょう。

詳しくはこちらの記事もご一読ください:株式の調査方法とは|相続手続きを行政書士が詳細を解説!

上場株式の相続方法とは

有名上場企業の株式取引をされている方は多く、相続の際には遺産の1つとして見つかることがよくあります。では、上場株式の相続方法とは。具体的にどのような手続きでしょうか。詳しくは以下の4つのステップです。

証券会社の特定

上場株式の取引は会社と個人との間で行われるものではなく、証券会社を経由しています。取引のあった証券会社を特定しましょう。特定に難航したら、先に触れた「ほふり」のご活用を検討してください。以下に挙げる書類でも、特定が可能です。

・取引残高証明書
・特定口座年間取引報告書
・証券会社口座開設時の控え 
・取引があると思われる証券会社のアプリ

証券会社への連絡、必要書類の準備

取引のある証券会社が分かったら、連絡を行い相続に必要な書類を依頼しましょう。必要となる書類は、遺言書の有無・調停調書や審判書の有無などによって異なるため、証券会社の指示に従ってください。

相続人口座の開設と移管

証券会社から必要書類が届いたら、株式を引き継ぐために、相続人口座を開設します。開設後は株式が相続人へと移管されます。

上場株式の評価方法とは

上場株式は評価を行うにあたって、以下の式にて算出します。

■1株あたりの金額×保有株数

株価は毎日変動しているため、評価がしにくいと感じてしまうものです。そこで、以下4つの評価方法の中で最も低いものを採用できるしくみとなっています。

①相続開始日の株価の終値
②相続開始月の終値の平均
③相続開始前月の終値の平均
④相続開始前々月の終値の平均

なお、取引のあった証券会社に、被相続人の亡くなった当日の残高証明書を取り寄せることでも、確認を行えます。

非上場株式の相続方法とは

非上場株式の相続方法は、上場株式の相続と比較すると複雑であり、注意が必要です。相続方法の流れは以下のとおりです。

株式発行会社に連絡

非上場株は株式を発行する会社に申し出てから、相続手続きがスタートします。手続きの際には、相続と分かるように遺言書や遺産分割協議書などが必要となることが多いでしょう。

非上場株式の評価を行う

上場株式と同様に、非上場であっても株式を相続するためには評価を行う必要があります。しかし、非上場である以上市場での動きがないため会社の財務から、現在の株価を評価する必要があります。

非上場の株式評価は、会社を支配できる一族が持つ場合は「原則的評価方式」を採用し、支配することができない方は「特例的評価方式」を採用します。難解な計算のため、税理士などに依頼することが一般的です。

相続人への株主名簿を書き換えする

次に、相続人に株式を相続させるために、株主名簿の書き換えを行います。株主名簿の書き換えも、非上場株の発行会社に依頼を行います。

非上場株式は手続きに注意が必要

非上場株式の相続については、上場株式とは異なる注意点があります。詳しくは以下です。

①相続税が高い
非上場株式は、相続すると高額の相続税が科せられることがあります。また、上場株式のように売買しやすいものではないため、負の遺産となり得る可能性があります。

②いらない株式となる可能性がある
自社株など、事業に影響する株式であれば、相続税などのデメリットがあっても引き継ぐ必要がありますが、あまり面識のない親族の会社の株などは、価値もわからないうえに経営に参画しているものでもないため、相続をしても「いらない」可能性があります。

③会社側に買い取ってもらう方法も検討を
重い負担となる非上場株式は、換価もしにくいため、安易に相続をするのではなく会社側に買い取ってもらう方法も検討するべきでしょう。株式の飛散を避けたい経営陣は、相続の発生を機会に株式を買ってくれる可能性もあります。まずは会社に連絡してみましょう。

株式のある相続は生前から対策を始めよう

株式は預貯金や現金よりも相続時に事務手続きが多く、相続人にとっては重い負担となるおそれがあります。どこに取引があるのかわからない場合は、調査に時間も要します。

また、非上場株式を多く持っていたりすると、相続税がかかる可能性もあります。そこで、株式のある相続は、生前から対策を始めることがおすすめです。

遺言書があるメリットとは

まずは、相続の対策に遺言書を検討しましょう。遺言書の作成は以下に挙げるメリットがあります。

・財産目録
財産目録を作成するため、相続人が「どこにどのような財産があるのか、わからない」と言う事態を避けられます

・相続人を特定できる
株式を承継させたい相続人がいる場合、遺言書内で指名することができます。

・事業継承にも役立つ
相続の開始後、被相続人から相続人へ事業継承が行われる場合、株式や事業に関係する不動産の承継をする方についても、細かく指名することが可能です。

株式のご相続がある場合は遺言書の作成も検討

この記事では、相続時に知っておきたい株式証券の手続きについて、上場・非上場に分けながら行政書士が詳細を解説しました。

複雑な手続きを要する株式の相続は、生前から遺言書で「相続の道しるべ」を残しておくことがおすすめです。

遺言書の作成は、横浜市を中心に広くご相談に対応している長岡行政書士事務所におまかせください。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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