不動産の共有相続は避けたい!よくある相続トラブルを行政書士が解説

不動産の共有相続は避けたい! よくある相続トラブルを行政書士が解説 相続トラブル・事例
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「不動産の共有相続はデメリットが多いと聞いているが、その理由を知りたい」
「複数の相続人で不動産を相続するが、どのようなトラブルが起きやすい?」
「不動産を共有で相続しそうだが、その他の相続方法はあるのか」

不動産を相続する際には、「共有相続」と呼ばれる状態で相続する方法があります。しかし、1つの不動産を複数人の相続人で相続する共有相続には、デメリットが多く相続トラブルにつながりやすいため注意が必要です。この記事では行政書士が、不動産の共有相続についてよくあるトラブルや解決方法を解説します。

不動産の共有相続とはどのような状態?

被相続人の財産は、相続の開始後に複数人の相続人がおり、遺言書が無く遺産分割協議もまとまっていない場合には、いったん遺産共有財産の状態となります。不動産が含まれている場合、土地や建物も共有で相続している状態です。この章では、不動産の共有相続について詳しく解説します。

1つの不動産を複数人で相続すること

不動産の共有相続は、わかりやすく言うと「1つの不動産を複数人で相続すること」を意味します。たとえば、被相続人がマイホームを遺し、相続人には妻と1人の子が居る場合は、2人でマイホームの所有権を分けていることになります。

所有権が分割され、共有持分を取得する

現金とは異なり、不動産を共有すると言っても建物を分割することはできません。共有状態とは、所有権を分割していることになるのです。複数人の相続人で所有権を分割する場合、それぞれが共有持分(※1)を取得している状態となります。

(※1)共有持分とは
1つの不動産の所有権を分割する場合、それぞれの所有者が持つ所有権の割合のこと

相続開始後、不動産は共有状態となる

冒頭に触れたように、相続の開始後は相続財産が共有状態となっています。現金や預貯金、車などの動産、不動産、そして債務も相続人で共有している状態です。

ただし、相続人が生前に遺言書を遺している場合は、遺言書に沿って相続手続きが進むため、早期に共有状態は解消されやすいでしょう。遺言書が無く、複数の相続人がいる場合は遺産分割協議を行い、誰がどの財産を引き継いでいくのか決める必要がありますが、決まらない間は共有状態が継続されます。

複数の相続人がいても法定相続分どおりに相続する場合は、遺産分割協議書の作成は不要ですが、不動産が共有状態で分割されたままとなるため注意が必要です。

不動産を共有相続するデメリットとは

不動産を共有で相続する場合には、デメリットがあるため注意が必要です。詳しくは以下のとおりです。

売却や修繕時などは共有者全員の同意が必要

1つの建物や土地を共有相続するときや売却をしたい場合や修繕をしたい場合なども、共有者全員の同意が必要となります。建物の安全を守るなどの、簡易的な修繕は同意が要らないケースもありますが、大規模リフォームなどは同意が必要です。

賃貸化にも過半数の同意が必要

相続した不動産を有効に生かしていくために、賃貸にしたいと考える人もいるでしょう。このようなケースでも、不動産が共有状態である場合は、単独所有の状態よりも手続きが複雑化します。賃貸化する際には、共有者の過半数の同意が必要となるため注意が必要です。

2023年4月に法改正があり、共有している不動産を賃貸に出す場合、短期間であれば共有者の半数以上、3年より長い長期間は全員の同意が必要です。

共有者が亡くなるとさらに共有者が増えてしまう

相続で1つの不動産を複数人で共有相続した場合、共有者が亡くなってしまうと、さらに相続が発生し共有者が増えてしまうことがあります。

現在空き家が社会問題化し、相続登記の義務化のきっかけにもなっていますが、共有者が次々と相続によって増えてしまい、不動産の解体も売却も、相続登記もめどがつかないケースが実際に起きています。

空き家など不動産トラブルになりやすい

相続時には共有者同士で仲良く不動産を管理していても、相続人が高齢化したり、共有者同士の仲が悪くなると、不動産の処分も売却もできなくなるケースもあります。管理もどのように継続していいかわからなくなり、いつの間にか空き家問題のような不動産トラブルになることも少なくありません。

不動産は共有相続を避けよう!解決方法とは

法定相続分どおりに相続すると、遺産分割協議が不要等のメリットはあるものの、不動産の共有相続は長期視点で見ると大きなデメリットがあります。次の世代に負担を遺す可能性も高いため、できれば回避をすることがおすすめです。

そこで、この章では不動産の共有相続を避けるための、解決方法を詳しく解説します。

遺産分割協議で不動産を相続する人を決める

遺産分割協議を行う場合、共有相続ではなく不動産を誰が相続し、管理していくのか決めることがおすすめです。特定の相続人に不動産が集中する場合、その他の相続人には代償金を支払う方法で、円満に遺産分割協議をまとめる方法も考えられます。(代償分割)

詳しくはこちらの記事もご一読ください
遺産相続時の代償分割とは|メリット・デメリットを行政書士が解説

不要な不動産は売却をする

不動産の相続方針が決まらないため、共有状態を選ぶ方もいます。しかし、将来的に管理コストがネックとなる可能性があったり、暮らす予定がない場合の不動産なら、相続のタイミングで売却することも検討しましょう。
売却で得た利益を分割する換価分割は、現金を綺麗に分割できるため、遺産相続手続きが揉めにくいというメリットもあります。

詳しくはこちらの記事もご一読ください
遺産分割時の換価分割とは|押さえておきたい4つのポイントを行政書士が解説

やむを得ない場合は将来に備えて話し合う

不動産の相続方針が上手く決まらず、共有相続する場合には、将来の相続トラブルにも備えて話し合いをしておくことがおすすめです。以下のような点を、しっかりと話し合っておくと良いでしょう。

・将来的な賃貸化や売却の有無
・空き家となった場合の管理責任の所在
・共有者が亡くなった時の対応方針 
・一部の共有持分の売却により、見知らぬ共有者が入ってくるリスク

先に触れた通り、将来的に不動産の賃貸化や売却を検討する場合は共有者の同意が必要となるため、相続人全員で将来発生する可能性があるリスクを知っておくことが望ましいでしょう。

不動産の相続は未来を見据えて遺言書を作成

不動産は時に大きな資産価値があったり、事業資産としての意味を持つこともあります。そのため、不動産を巡って相続人が財産争いを展開し、争族トラブルに発展することも決して珍しくありません。

合わせて読みたい:公正証書遺言とは|効力や知っておきたい注意点を行政書士が紹介

そこで、現在不動産をお持ちの方は、将来に備えて「遺言書」を作ることを検討しましょう。では、遺言書を作るメリットにはどのような点が挙げられるでしょうか。詳しくは以下の2点です。

共有状態を防ぐことができる

相続開始後に速やかに遺言書が見つかれば、早期に共有状態を脱して、次の不動産所有者を決めることが可能です。遺産分割協議では相続人が揉めそうなケースでも、遺言書があると長期的な共有状態を避けて、すぐに新たな不動産の所有者が決まります。

相続してほしい人を決められる

不動産には資産価値が高いものも多く、特定の相続人に相続させたいと感じる方も多いでしょう。また、思い入れのあるマイホームを管理してくれそうな方に、住まいを引き継いでほしいと言う人もいます。

遺言書では、所有している不動産を相続してほしい方を決められます。妻にマイホームを遺したい、長女に賃貸アパートを相続してほしい、などの願いをきちんと込めて遺言書を作っておくことで、誰が不動産を相続するのかトラブルになりにくくなります。

ただし、不動産を特定の人に相続させることで、他の相続人の遺留分を侵害する場合には注意が必要です。専門家に相談しながら、丁寧に遺言書を作りましょう。

また、遺言書作りをきっかけに、家族と相続のあり方について話をする機会を持つこともおすすめです。

デメリットが多い不動産の共有相続には生前から対策をしましょう

この記事では不動産の共有相続について、よくある相続トラブルにも触れながら解決方法を行政書士が解説しました。

不動産の共有相続は空き家問題の引き金となることも多く、できれば生前からご家族で話し合い回避を目指すこともおすすめです。大切な資産でもある不動産で家族が揉めないためにも、遺言書作りのお手伝いは横浜市の長岡行政書士事務所におまかせください。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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