遺産分割協議と不在者財産管理人とは?【必察仕事人!一本判子の慎太郎】

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被相続人が遺言を書いていなかった場合は、法律で決められた相続人が全員集まって遺産分割協議を行い、遺産の分け方で合意しないといけません。でも、相続人の中で連絡が取れない人がいる場合はどうしたらいいのでしょうか?

この物語は、判子ひとつで相談者を安心させるべく行政書士業務に邁進する、とある人物が夢の中で見た相続問題解決物語です。時代劇の某名ドラマとは、一切関係がありません。

・・・・・

一かけ二かけ三かけて、”士”かけて察して日が暮れて。

夕陽の燃ゆる横濱で、紅い煉瓦に腰下ろし、遥か彼方を眺むれば。

この世はせつねえ事ばかり…。

片手に六法、ペンを持ち。

相続問題お察しし、判子ひと押し、任せてくんねえ。

あたしは必察仕事人、一本判子の慎太郎と申します。 

慎太郎「それで今日は、何処のどなたを救ってくれと仰るんで」

依頼人「慎さん、行方不明の相続人がいるんだよ…どうしたらいい?」

慎太郎「ええ、この慎太郎に任せてください」

遺産分割協議は相続人全員がいないと進められない

被相続人が亡くなると、財産はいったん相続人たちの共同所有になります。

ここから話し合いで財産を分けていくことになりますが、遺産分割協議に参加しない相続人がいると大問題。

その人の財産まで勝手に他の相続人で分けることができないからです。

相続人が行方不明の時の不在者財産管理人

依頼人「慎さん、協議が進められないなんて困るよねえ…」

慎太郎「そういうときのためにね、不在者財産管理人という制度があるんですよ」

依頼人「なんだい、その不在者財産管理人ってのは?」

慎太郎「ざっくりと言うとね、不在の間に財産を守る人ですよ。財産を保存し、あるいは財産の性質を変えない範囲で利用・改良するんです。あ、投資などで財産を増やすようなことはできませんからね」

依頼人「へえ、そりゃ頼もしいね」

不在者財産管理人は遺産分割協議に参加する

慎太郎「ええ。どれだけの財産があるのかを明確にするために財産目録を作成し、その後は家庭裁判所の求めに応じて定期的に財産の状況を報告する、きちっとした役割です」

依頼人「不在者財産管理人は遺産分割協議に参加したりするのかい?」

慎太郎「遺産分割協議への参加は本来の不在者財産管理人の業務範囲ではないんです。もし参加するなら、家庭裁判所に申し立てて権限外行為許可を得なくちゃいけません」

合わせて読みたい:遺産分割協議の概要を行政書士が解説!【必察仕事人!一本判子の慎太郎】

不在者財産管理人の選任の必要書類

依頼人「そもそも、不在者財産管理人はどうやって選ぶもんなんだい?」

慎太郎「不在者の利害関係人が家庭裁判所に申し立てて選んでもらうんですよ」

依頼人「立候補で誰でもなれるもんじゃないんだね」

慎太郎「そうですね。で、申し立ての為の必要書類はこのあたりですね」

  • 申立書
  • 不在者の戸籍謄本と戸籍附票
  • 不在者財産管理人候補者の住民票又は戸籍附票
  • 不在であることを証明する資料
  • 不在者の財産に関する資料
  • 戸籍謄本等の不在者と申立人の関係を示す資料

依頼人「ひとつ、不在であることを証明するためにはどうしたらいいんだい?」

慎太郎「警察が発行する行方不明者届受理証明書や、宛先人不明で返送された郵便物を使えばいいんですよ」

依頼人「なるほど、だいぶわかってきて、気が楽になってきたよ。他になにか注意点はあるかい?」

不在者財産管理人に関する注意点

不在者財産管理人はあくまで不在者の財産を守るために行動し、申し立てをした他の相続人の利益になることをする代理人ではありません。その点を誤解しないようにしておきましょう。

慎太郎「注意点というより、知っておくべきことという点では2つあります。選任までに時間がかかることと、報酬が発生することです」

不在者財産管理人に要する期間

依頼者「時間ってのはどのくらい?」

慎太郎「一概には言えませんが、大事なのは相続の期限にかからないよう認識しておくことですね。相続を知った日から10カ月以内に相続税の申告・納付を終わらせなくちゃいけませんから」

合わせて読みたい:相続税は誰が支払うの?基礎控除など様々な控除について横浜市の税理士が解説

不在者財産管理人には報酬が支払われる

依頼者「相続税か。期限を守れないと延滞税が課されたり、税金の軽減制度が使えなくなるのは聞いたことがあるよ。ちなみに、報酬のほうは…かなり高いのかい?」

慎太郎「基本的に、報酬は不在者の財産から支払われるんです。家庭裁判所の判断が入るので法外な額にはなりません。でも不在者が帰ってきたとき、「減ってるじゃないか」といぶかしむことは実際にあったりしますからね」

行方不明の相続人がいる際は生前の対策も必要

依頼者「そうかあ…。手続きも煩雑だし、自分一人でやれるか自信がないよ」

慎太郎「そういうときのために、この一本判子の慎太郎、一番お勧めしたいのが…(チャラリーン、チャララチャラリラ、ラリラリラ~♪)」

依頼人「おおう、どこかで聞いたことがある時代劇のBGMが流れてきた…そして、慎太郎が意味ありげな決めポーズをとっている…! 見せられないのが残念だ!」

慎太郎「…専門家への依頼です!」

依頼人「いよっ、慎太郎! 千両役者!」

慎太郎「相続は手続が多いのに、不在者がいる場合の対応まで、正直やるのは大変です。しかも相続に慣れた人はなかなかいませんから、専門家のアドバイスやサポートを得て、円滑な相続を目指してください。あとは、あらかじめ不在者の存在が分かっている場合は遺言書を作成することで、遺産分割協議を回避することができます!」

依頼人「なにをナレーション風に言ってる。あたしはとっくに決めてるんだよ、お前さんに依頼するってね! ほら、判子一本、力になってくれねえか?遺言書もそろそろ作らないと、と思っていたところだよ!」

慎太郎「合点承知!大船に乗ったつもりで、お任せくださいよ!遺言書の作成もお手のものだい!」

この記事を詳しく読みたい方はこちら:行方不明の相続人がいる場合はどうなるか?~不在者財産管理人について解説!

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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