死亡届を提出すると銀行口座は凍結される?行政書士が詳細を解説!

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「死亡届を出したら、亡母の銀行口座が凍結されるのか不安だ。」
「銀行は相続を知ると口座を凍結すると聞いたけど、その理由は?」
「亡父の銀行口座の凍結を今すぐどうにかしたい。手続き方法とは?」

相続が開始されると、被相続人名義の銀行などの金融機関に開設していた口座が凍結されることをご存じでしょうか。では、金融機関の口座の凍結は、「死亡届」の提出と同時に行われるのでしょうか。この記事では相続時の口座の凍結について、死亡届の提出の視点から詳細を解説します。

死亡届の提出と同時に銀行口座の凍結は行われる?

「家族が亡くなったらすぐに口座が凍結された!」このような噂を聞いたことはありませんか。家族が亡くなり相続が開始されたら、たしかに銀行や信用金庫などの金融機関口座が凍結されます。では、口座の凍結は死亡届の提出と同時に行われるのでしょうか。この章では死亡届と銀行口座などの凍結について詳細を解説します。

死亡届とは

死亡届とは、家族が亡くなられた際に届け出る必要のある公的な書類のことを意味します。「死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは、その事実を知った日から3か月以内)」に提出する必要があります。

死亡診断書もしくは死亡検案書を添え、亡くなられた方の死亡地・本籍地又は届出される方の所在地の市区町村役場に提出します。死亡届を提出すると、戸籍にも死亡の事実が反映されるため、後日、本人の除籍が記載された「戸籍謄本」または既に全員除籍している場合は「除籍謄本」が取得できます。

死亡届と凍結が同時に行われることはない

では、死亡届が提出されると銀行などの口座は、すぐに凍結されるのでしょうか。結論から言うと、すぐに凍結されることはありません。死亡届を扱う行政は、民間企業である金融機関に情報を提供することはないため、自動的に凍結されるおそれはないのです。

各銀行側に手続きをすることで凍結される

銀行の口座は被相続人の死去を知った時点で凍結されますが、基本的には遺族側から銀行側へと報告をすることで行われます。

また、銀行間で顧客の死亡情報を共有することはありません。ある銀行に凍結の依頼をしたら、同時に別の信用金庫の口座が凍結する、ということはありません。凍結を依頼したい場合は、各銀行に手続きを依頼する必要があります。

銀行側が情報を把握したらすぐに凍結するケースもある

地方では死亡に関する情報が、地方新聞紙のおくやみ欄に掲載されることがあり、情報を把握した金融機関側が口座をすぐに凍結することもあったみたいです。最近では金融機関側が自己判断でこうした凍結を行うことは少ないでしょう。訃報の情報を得たら、凍結を確認するためにご家族に連絡をする場合はあるようです。

銀行口座の凍結は防げる?相続時の凍結の対処法とは

銀行の口座が凍結されると、口座からの引落しや預金の引き出しといった行為は一切できなくなります。文字通り凍結状態となるため、被相続人の口座から引き落としていた家賃なども全て、引き落とせなくなります。

では、銀行口座の凍結は相続時に防げるものでしょうか。この章では、凍結時の対処法にも触れながら詳細を解説します。

口座の事実を知ったら凍結は行われる

銀行側は口座の凍結を知ったら、凍結を行います。その理由は以下です。

・不正な引き出しを防ぐ
・無用な相続トラブルを防ぐ

本来の預貯金口座の持ち主が亡くなっている以上、引出しをするのは本人以外の誰かであり、不正なアクセスによる引き出し等の可能性があります。また、特定の相続人による引き出しなどの相続トラブルに巻き込まれることも避けたいため、預金残高を現状のまま維持するためにも口座の凍結をします。死亡の事実を知っても口座の凍結をしない、という対応は難しいため、凍結後の解除を目指すことが望ましいでしょう。

凍結への対処法|手続きを行えば解除される

口座の凍結が行われたとしても、手続きを行えば解除はされます。解除方法とは主に以下のとおりです。

①銀行側が指定する必要書類を整える
②提出、審査を受ける
③審査完了後に払い戻しや口座名義人の変更手続きを行う
④凍結解除

なお必要となる書類は、被相続人の戸籍謄本類(出生~死亡まで)や、法定相続人の印鑑証明書、遺産分割協議書などが挙げられます。金融機関や相続の方法(遺産分割協議書の有無や遺言書の有無など)ごとに求める書類には差異があるため、注意しましょう。

仮払い制度も活用できる

凍結解除の前に、預金の引き出しをしたいと考える方も多いでしょう。その場合、「仮払い制度」というしくみを利用することが可能です。仮払い制度とは2019年7月1日からスタートした制度で、「相続預金の払戻し制度」とも呼ばれています。払い戻される方法には、以下2つがあります。

   相続人が単独で払い戻しができる額
家庭裁判所の判断が不要な方法・同一の金融機関からの払い戻しの上限は150万円 ・相続人単独で払い戻しができる額は預金額×3分の1×相続人の法定相続分
家庭裁判所の判断が必要な方法・家庭裁判所が取得で認めた額
※共同相続人の利益を害さない範囲程度

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参考URL  相続時の預貯金払戻し制度とは?遺産分割前に預貯金を引き出す方法・注意点を行政書士が解説!

相続時の口座の凍結に備えよう|やっておくべき準備とは

一度凍結されてしまうと、解除の手続きを行うまでは被相続人の口座からお金は引き出せなくなるため、相続人が生活に困ってしまうことも考えられます。では、口座の凍結に備えてやっておくべき準備とはどのようなものでしょうか。

相続人全員の同意を得た上で、引き出しを行う

家族が亡くなると、入通院や介護に関する費用の支払いや葬祭費用、遺品整理などを行うことも多く、お金がどうしても必要となることがあります。相続人でこうした費用を支出することが難しい場合には、相続人全員に確認した上で、凍結前に引き出しを行うことがおすすめです。相続人全員の同意を得ているなら、相続トラブルは起こりにくいでしょう。

生命保険に加入し、死亡保険金の受取人指定を行っておく

生命保険の死亡保険金は、受取人指定を行うことができます。この場合、受取人に直接保険金が支払われるため預貯金口座の凍結とは関係なく、受領できます。死亡保険金の受取人指定は相続人以外(内縁関係・同性婚の方など)を指定することもできるため、生前から相続対策として上手に活用すると良いでしょう。

■死亡保険金を受け取る流れ
生命保険の死亡保険金も、即日で受け取れるわけではないため注意が必要です。生命保険の証券を用意し、加入先の保険会社に連絡をすると、受取のために必要な書類が発送されます。

書類の返送後、保険会社側は死亡保険金の支払いに問題がないか審査を行い、判断の後に保険金を支払います。保険金支払いの期限は各保険会社が約款で定めていますので、確認されてみることがおすすめです。

合わせて読みたい:生命保険金は相続財産の範囲か?混乱しやすいポイントを行政書士が解説

円滑な相続ができるように遺言書を遺しておく

将来の相続に備えて、円滑な相続手続きができるように遺言書を作ることもおすすめです。特に口座数が多かったり、ネットバンキングにも取引がある場合には、相続人による口座の特定にも時間がかかってしまいます。

遺言書には財産目録を添付できるため、口座の特定もスムーズに可能となり、凍結解除だけではなく、相続手続き全般における負担が減るでしょう。

合わせて読みたい:トラブルのない家族でも遺言を書くべきか?遺言を書くべき背景と理由を説明!

相続人の負担を減らすためにも、遺言書を作りませんか?

この記事では、死亡届と銀行口座の凍結についてわかりやすく解説しました。銀行の口座の凍結には、生活が困らないように仮払い制度も用意されています。相続人の同意なく凍結前に引き出してしまうと相続トラブルに発展するおそれがあるため、ご注意ください。

金融機関の口座数が多い場合、凍結の解除だけではなく口座の特定にも時間を要することがあり、相続人にとって大きな負担となることがあります。相続人の負担を少しでも減らすためにも、相続対策に遺言書を作ることもおすすめです。まずはお気軽に長岡行政書士事務所にお問い合わせください。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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