法定相続をする時も遺産分割協議書の作成は必要?行政書士が解説!

法定相続をする時も遺産分割協議書の作成は必要? 行政書士が解説! 相続手続の基礎
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「遺産が預貯金だけだったので、相続人2人で法定相続を行う。遺産分割協議書は必要?」
「遺産分割協議書は絶対作る必要があるのか知りたい」
「法定相続分どおりの相続なら、遺産分割協議書はいらないと聞いたけど本当?」

遺産分割協議書とは、遺産相続を行う際に相続人全員で「誰が・どの財産を、いくら相続するのか」を決める書類です。実は、遺産分割協議書は相続時に必須の書類ではなく、作らなくても良いケースがあります。そこで、この記事では法定相続時の遺産分割協議書について、行政書士が詳しく解説します。

法定相続時に遺産分割協議書は必要?

一般的に複数の相続人がいるケースの遺産分割協議時には、「遺産分割協議書」が必要とされています。では、法定相続時にも遺産分割協議書は必要でしょうか。この章では、遺産分割協議書の概要や、法定相続時の協議書の有無について解説します。

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは、被相続人が残した財産を複数人の相続人で分割する際に作られる書類のことです。誰が、いくら、どの財産を相続するのか、正しく記載し記録として残すために作成されます。

金融機関などは、遺産分割協議書の内容を確認した上で現金の払戻しなどの相続手続きを行っています。そのため、多くの相続時には遺産分割協議書が作成されています。

合わせて読みたい:遺産分割協議書の作り方とは~実際の書き方を詳しく行政書士が解説

法定相続分どおりの不動産登記や相続税申告は不要

遺産分割協議は、誰がどのように財産を相続するのか議論を行った上で「分割内容」を確定させます。しかし、相続人間で納得でき、法定相続分どおりに相続する場合は、不動産登記や相続税申告の場合は遺産分割協議書を作成する必要はありません。

■例 亡夫の財産を、妻と子2名で不動産を法定相続分通りに相続する

  • 妻は2分の1を相続する(配偶者の法定相続分は2分の1)
  • 子2名はそれぞれ4分の1を相続する(直系卑属の法定相続分は2分のため、2名で分割)

法定相続分どおりの不動産相続なら複数の相続人がいても、遺産分割協議もスムーズに終わり書類も不要です。ただし、金融機関等の手続きの際は金融機関所定の書面に相続人全員の署名捺印が必要となります。

遺産分割協議書が不要となるケース

遺産分割協議書は必ず作らないといけない、と思っている方が多いですが実は異なります。相続の方法によっては遺産分割協議書を作る必要はありません。そこで、この章では遺産分割協議書が不要となるケースについて、わかりやすく解説します。

不動産登記や相続税申告

まずは先に触れた法定相続分どおりに不動産を相続するときや相続税申告をする場合です。法定相続分は民法で定められており、このとおりに相続をする場合は、あえて遺産分割協議書を作る必要はありません。

遺産が現金や預貯金のみ

被相続人が残した遺産に複雑な相続手続きを要するものがなく、わかりやすい現金や預貯金のみだった場合には、遺産分割協議書がなくても相続は可能です。金融機関の多くは相続手続き時の必要書類に遺産分割協議書を挙げていますが、なくても解約自体はできることが一般的です。

ただし、いずれにせよ、相続人全員の署名捺印が必要になることには注意しましょう。解約手続き先が多い場合には、遺産分割協議書があった方が手続きがスムーズです。

例・三菱UFJ銀行の必要書類(遺言書・遺産分割協議書のない相続手続き)

  • 相続届(銀行側が指定する所定の書類)
  • 法定相続人の方全員の署名・捺印(実印)
  • 戸籍謄本等 (法定相続情報一覧図も可)
  • 印鑑証明書(発行日より6ヵ月以内のもの)法定相続人の方全員分
  • 被相続人の通帳(証書)・キャッシュカード・貸金庫の鍵など

上記のように、法定相続人全員が必要書類に実印を押印し、かつ実印を証明する印鑑証明書の提出によって、異論のない相続であると証明できます。ただし、銀行の判断によっては追加の書類を求めるケースもあるため注意が必要です。

遺言書のある相続

遺言書がある相続の場合も、遺産分割協議書を作る必要はありません。ただし、相続人全員の同意の下で、遺言書どおりの相続ではなく遺産分割協議を行う場合には遺産分割協議書が必要です。

合わせて読みたい:遺言書がある場合でも遺産分割協議はできるのか?手続きを行政書士が解説!

相続人が1名

相続人が1名の場合、すべての財産を1名が相続するため遺産分割協議も協議書も不要です。元々相続人が1名だったケースだけではなく、相続放棄をした相続人がおり、結果として相続人が1名となった場合も同様です。

法定相続分どおりでも遺産分割協議書を作るメリット

法定相続分通りに遺産分割を進める場合、原則として遺産分割協議書の作成は不要です。しかし、法定相続分どおりに相続するケースでも遺産分割協議書を作ることがあります。遺産分割協議書には、以下に挙げる3つのメリットがあるためです。

相続トラブルの防止につながる

財産を複数の相続人で分割する場合、「やっぱりあの財産も欲しかった!」「本当はあの土地も私が相続したはず」など、言い争いが起きてしまうことが予想されます。

遺産分割協議書が無い場合、相続時に話し合った内容を証明できる書面がないため、相続トラブルが起きると解決に時間を要する可能性があるでしょう。

遺産分割協議書は、相続人全員の実印を押して完成させるものです。内容を確認して相続人が押印しているため、協議内容を覆しトラブルが起きる可能性が低くなります。

次の相続時の資料になる

遺産分割協議書は、被相続人が残した財産を書面に残すチャンスでもあります。高齢化社会が進んでいる日本では、相続手続きが終わってすぐにまた相続が起きる「相次相続」も多く、前回の相続内容がどのようなものだったか、調べたいと感じる相続人も多くなっています。

法定相続分どおりの相続であっても遺産分割協議書が残されていると、被相続人が相続時に引き継いでいた財産が可視化されます。そのため、相次相続で相続人となった方に大いに役立ちます。

■相次相続とは
短い期間で相続が連続することを意味します。10年以内に連続して相続が発生した場合は、相続税の負担が大きくなるため「相次相続特例」が用意されています。近年高齢化社会が進行する日本では、被相続人も相続人も高齢者のケースは多く、相続が連続で起きるご家族も多くなっています。

追加書類を求められにくい

法定相続分どおりの相続であっても、遺産分割協議書があると相続手続きがはかどることがあります。現金だけの分割なら金融機関での手続きは不要のため遺産分割協議書は不要です。

しかし、多数の金融機関や不動産がある場合は、遺産分割協議書に各相続人の相続分を明記した方がわかりやすいでしょう。追加資料を求められることも少なくなりやすく、大きなメリットがあります。

結局は金融機関での手続きにしても、相続人全員の署名捺印が必要となりますので、遺産分割協議書を作成する方が望ましいと言えます。

不動産のある遺産分割は慎重に検討しよう

遺産分割協議書の作成は、相続人自身で作ることができます。しかし、作成には専門知識を要するため、「作成は面倒だから不動産を法定相続分どおりに相続しよう」と考える人もいるでしょう。

確かに法定相続分どおりの相続は、遺産分割協議書を作らなくても手続きは進められます。しかし、不動産相続の場合、複数人で法定相続どおりに分割するとデメリットもあります。詳しくは以下のとおりです。

合わせて読みたい:不動産の共有相続は避けたい!よくある相続トラブルを行政書士が解説

不動産の共有状態はデメリットが大きい

不動産を共有状態で遺産分割協議を終えること自体には、法的な問題はありません。しかし、1つの土地や建物を複数人で共有状態にしてしまうと、以下のようなデメリットも生まれます。

  • 売却時に全員の同意が必要となり、時間がかかる
  • 管理や売却の方針が相続人間でまとまらず、紛争化する
  • 共有者が亡くなってしまうと、相続が発生しさらに共有者が増えてしまう

遺産分割協議がわずらわしくても、不動産がある相続は分割を検討することがおすすめです。特に売却を検討している場合は、早期の換価分割や、共有状態ではなく代償分割での所有を検討することがおすすめです。

あわせて読みたい:遺言書で指定する分割方法〜現物分割・代償分割・換価分割とは〜

遺産分割協議書の作成はメリットがあります|行政書士に相談を

今回の記事では、遺産分割協議書の作成が不要なケースについて詳しく解説を行いました。遺産分割協議書の作成は、不要のケースであっても作成メリットがあります。分割した事実を記録する便利な書類ですので、相続の機会を迎えたら、作成を検討することがおすすめです。

遺産分割協議書の作成に悩んだら、いつでもお気軽に横浜市の長岡行政書士事務所にご相談ください。

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この記事の執筆・監修者
長岡 真也(行政書士)

長岡行政書士事務所代表。1984年12月8日生まれ。
23歳の時に父親をガンで亡くしたことから、行政書士を志す。水道工事作業員の仕事に従事しながら、作業車に行政書士六法を持ち込んでは勉強を続け、2012年に27歳で合格。
当時20代開業者は行政書士全体の中で1%を切るという少なさで、同年開業。以来。「印鑑1本で負担のない相続手続」をモットーに、横浜市で相続の悩みに直面する依頼者のために、誠実に寄り添っている。最近は安心して相続手続したい方々へ向け、事務所公式サイト上でコラムを発信しており、相続手続の普及に取り組んでいる。

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